[東京 18日 ロイター] 中川昭一財務相兼金融担当相は18日夕、麻生太郎首相との会談後に記者会見し、首相から2009年度予算編成に向 け、生活防衛や地方の重視、危機対応のための戦略的国際協力の推進、歳出削減と行政改革などについて指示があったことを明らかにした。
税収など歳入減が想定されるなか、09年度の赤字国債発行の可能性については、歳入と歳出をみて決まるとしながら、小泉純一郎政権が掲げた30兆円枠のような「きちんとした枠はない」と語った。
会談には麻生首相と中川財務・金融相のほか、河村建夫官房長官、与謝野馨経済財政担当相、鳩山邦夫総務相が出席した。
麻生首相は中川財務・金融相と与謝野担当相に対し、2009年度予算編成に向けて、1)生活対策を踏まえて生活防衛を最重視、地方の底力の発揮を重視、 2)危機に対処するための「戦略的国際協力」のイニシアティブを推進し(関係国と)共に成長する基盤の確保、3)政府のムダを徹底して省くなど歳出削減の 継続、国・地方を通じた大胆な行政改革の推進──について指示した。
中川財務・金融相によると、これらを含め、全体の作業の進ちょく状況に応じて随時、首相から必要な指示があるという。
09年度概算要求基準(シーリング)で確保され、国民の安全・安心や環境対策、成長力強化など重点分野に3300億円を振り向けるとされている「重要課題推進枠」については、首相自らが配分を決める直轄とする。21日の閣議で首相からあらためて全閣僚に対して指示が行われる予定。
中川財務・金融相は、危機対処の「戦略的国際協力」について、防衛は含まれないとした上で、「当面の危機は金融・経済危機がある。それ以外にもアフリカの飢餓や貧困、マラリア、エイズ(対策)などを含めた(海外の)国や地域にとって役立つ案件をやっていく」とし、「世界的危機、日本にとって関係ある危機、その国にとっての危機に対して柔軟に対応していくと理解している。現時点で特に(具体的な)指示はない」と語った。
景気が後退局面入りする中で、税収など09年度の歳入は厳しい状況が継続することが想定されるが、赤字国債発行について中川財務・金融相は「予算編成に当 たり、歳入をどう見るか、必要な歳出をどう見るかで決まるが、小泉政権時のようなきちんとした枠は、それ以降ない。今後の作業だ」と述べるにとどめた。小 泉政権は当初、新規国債発行を30兆円以下に抑制する方針を掲げていた。
また、中川財務・金融相によると、会談において追加経済対策などに伴う第2次補正予算案の国会提出時期について話はなかったという。
(ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者)
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