金曜日, 11月 14, 2008

焦点:金融サミット開幕へ、政治対立で成果限定か

意味が分からんニュースは、後付の解釈待ちで、履歴残しに躍起になったりしますが....
トムソンロイター 2008年11月14日(金)12:35

 [ワシントン 13日 ロイター] 緊急首脳会合(金融サミット)が14日夜、ワシントンで開幕する。金融危機の再発防止に向けた対策が話し合われるが、政治的な対立で大きな進展は期待できないとの見方が多い。

 議長を務めるブッシュ米大統領の任期は残り2カ月。欧州は市場の規制強化を主張しているが、ブッシュ大統領は規制強化に消極的な姿勢を示している。

 今回のサミットには新興国の首脳も参加するが、新興国の参加自体が議論の紛糾を招くとの見方も出ている。

 先進国は、国際通貨基金(IMF)など国際機関に新たな役割を付与することを検討しているが、新興国の間ではIMFの権限強化に慎重な姿勢が強い。

 ただ世界経済は景気後退色を強めており、各国首脳は金融危機の原因と今後の対策について何らかの指針を示す必要に迫られるとみられている。

 ブッシュ大統領は13日、「金融セクターの改革は不可欠だが、今日の問題の長期的な解決策は持続可能な経済成長にある」と発言。

 「答えは新たなシステムを作り出すことにはない。われわれが直面している問題を解決し、必要な改革を行い、世界中の人々に繁栄と希望をもたらしてきた自由市場の原則を推進していくことが答えだ」との考えを示した。

 <規制めぐる米欧の対立>

 サミットでは市場の規制改革が大きな議題となるが、規制をどの程度強化するかをめぐっては、特に欧州と米国の間に深い溝がある。

 ドイツ政府当局者は、サミットでは「市場と安定の新たなバランス」について協議すると発言。米国が考えている以上の抜本的な改革が必要との考えを示唆した。

 プライス米国家安全保障会議(NSC)副補佐官(国際経済担当)は、金融市場の混乱は「規制体制の一定の変更」が必要であることを示しているとし、改革は一定範囲内にとどめるべきだとの認識を示した。

 同補佐官は「国際金融市場の規制権限を1つの国際機関に付与することに支持を表明する声はどこからも出ていない」と述べた。 

 フランスのサルコジ大統領は「第二次世界大戦以降ドルは唯一の国際通貨だったが、現在ではそうではないことを、あすワシントンに向かい(金融サミットで)説明する」とし、「1945年(の終戦時)に真実だったことが今日でも真実とは言えない」と述べている。

 <新興国の発言力強化>

 中国など新興国の発言権をどのように拡大していくかもサミットの焦点となる。

 ブラジル、ロシア、中国、インドのBRICs4カ国は先週末、G7の役割を補完するため国際機関での発言権を高めていく意向を表明した。

 サミットに参加する南アフリカ共和国のマニュエル財務相も「G7が仲間内の小さなクラブである時代は終わりを迎える」との見方を示した。

 金融サミットは複数回実施する予定で、来年第1・四半期にも2回目のサミットを開く可能性がある。

 今回のサミットで発表する共同声明では、金融危機の原因について一定の共同見解を示すとみられている。また各国政府の国内経済対策が声明に盛り込まれる可能性もある。

 ブラウン英首相は12日、各国政府による財政出動を拡大することに支持が集まっていると発言。サミットでもこの点を強調する可能性を示唆した。

 IMFなど国際機関の役割強化も議題になる予定。

 IMFについては、金融システムの監視強化と危機に見舞われた国への融資拡大を求める声が出ているが、新興国は、過去にIMF融資を受けた際に経済政策面で厳しい条件を突きつけられた経緯がある。

 またIMFへの出資比率が高い先進国が、新興国の出資拡大を認めるかどうかも不透明だ。

 カナダのフレアティ財務相は、13日付のフィナンシャル・タイムズ紙(FT)に寄稿し「ダイナミックな新興国が、国際舞台に全面的に参加する必要がある」と述べ、同国が過去に出資比率の引き下げを容認したことを指摘した。

 ただ欧州諸国については、IMFへの出資比率が必要以上に大きいとの見方が多いものの、これまでのところ、出資比率引き下げを自ら表明する国は出ていない。

 サミットは15日に閉幕する。

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