(時事通信) 11月28日(金) 11時39分
都道府県、政令市の担当者らを前に、定額給付金に関する説明に臨む総務省の岡崎浩巳・定額給付金実施本部長(中央)。所得制限では「給付の差異を設けないことが基本」と明記(28日午前、東京都千代田区) 」
麻生太郎首相が25日、第2次補正予算案の提出を来年1月の通常国会に先送りすることを正式に表明したことで、約27兆円規模にのぼる政府の追加経済対策の実施は大幅に遅れることになった。対策には中小企業の資金繰り支援なども盛り込まれ、早期の実施が期待されていた。景気後退局面のなかで、一刻も早い景気浮揚策の実施が求められていただけに、批判の声が強まりそうだ。
「金融機能強化法が成立した場合の予算化や税収大幅減への対応もある。12月は税制改正と平成21年度予算編成に全力を挙げたい」。麻生首相はこの日、2次補正予算提出を先送りする理由をこう説明した。
追加対策には、子供2人の4人家族で6万4000円を支給する定額給付金のほか、中小企業の資金繰り支援、高速道路料金の大幅引き下げなどが盛り込まれ ている。急場しのぎと批判されながらも対策発表時にはスピードを強調していただけに、今回の法案提出先送りに経済官庁幹部も「政局優先ととられてもやむを 得ない」と首をかしげる。
法案成立の時期にもよるが、定額給付金支給が3月から始まれば、対策決定から4カ月以上もかかることになる。仮に法案成立が遅れれば、公約してきた年度内支給が困難になる可能性さえある。
中小企業の資金繰り支援については、1次補正予算による9兆円の信用保証枠を、30兆円まで拡大することが追加対策に含まれている。「中小企業の資金繰 りをより万全にする」としていた麻生首相だが、追加分は年末の資金繰りには間に合わない。25日には「1次補正でかなりの分がまかなえている。2次補正は 年度末(に必要となる)」と景気への悪影響を否定した。
追加対策実施の遅れについてニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一経済調査部長は「景気に大きな影響を与えるとは思えないが、ちょっと明るい材料を提供するという心理的効果は薄れる」と指摘。追加対策を実施する前に経済対策は早くも“その次”が求められている。
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結局呷りはこんなとこにしかこないし、首相は率先して望み消すし....
「
景気は楽観できず、世界的デフレ的状況を懸念=与謝野担当相
2008年11月28日(金)14:11
[東京 28日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は28日、閣議後の会見で、けさ発表された一連の経済指標を踏まえ、世界の景気後退の影響が日本の実体経済に出始めているとし「これから来年にかけて楽観できるような状況ではない」との厳しい認識を示した。
物価情勢では「物価が持続的に下落する状況ではない」としながらも、世界的にデフレ的な影響がこれから出る可能性があるとし、この点では心配しなければならないと述べた。
2次補正予算案の提出時期が来年に先送りされることが決まったことによる景気への影響はないとしながらも、年末にかけて中堅企業・大企業の資金繰りに配慮する必要があるとの認識を示した。
<デフレ懸念を否定>
10月の全国消費者物価指数(生 鮮食品を除く総合)は前年比1.9%上昇となり、伸び率が6月以来4カ月ぶりに2%を割りこんだ。物価情勢について与謝野担当相は、原油など資源価格の下 落や消費意欲の低下などが総合的に影響したと説明。デフレ入りの懸念には「デフレの従来の定義は物価が持続的に下落している状況で、(今は)従来のデフレ の定義とは違う状況だ」と否定した。
ただ、「いま米国などで使われている『デフレ懸念』は、ひとつのリセッションの形で、生産と消費が全般に縮小していくという状況だ。世界的には、信用も収縮し、設備投資意欲も減退するなかでの、日本へのデフレ的影響はこれから出てくる。従来のデフレの定義とは違うデフレーションは、心配しなければならない」と警戒した。
<雇用情勢は深刻、政府・与党あげて雇用問題に取り組む>
雇用関連指標では、10月の完全失業率(季節調整値)が3.7%と前月に比べ0.3ポイント低下した。しかし、与謝野担当相は「実体は違う側面があるので はないか。このレベルの失業率は雇用問題として政府・与党も心配しなければならない」と指摘。有効求人倍率が0.80倍に低下したことを「深刻に受け止め なければならない数字だ」と警戒した。
新卒者への内定取り消しの動きなどを挙げ、「働く意欲があり、働きたいという意思がある人が働けないのは、社会における大きな悲劇である」と述べ、「政府・与党あげて、雇用問題には取り組まなければならない」と繰り返した。
<生産には、いい数字はない>
さらに、10月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比3.1%低下の102.3となり、2カ月ぶりの低下となった。製造工業 生産予測指数も11月が前月比6.4%低下、12月が同2.9%低下と不調が続く見通し。これ受けて経済産業省は生産の基調判断を下方修正した。
加えて与謝野担当相は、在庫が増えている状況も挙げ「鉱工業生産にはいい数字はどこにも出ていない」と語った。
そのうえで全体の景気認識について「実体経済上、世界の景気後退の影響を受け始めた。これから、来年にかけては楽観できるような状況ではない」と厳しい見通しを示した。
<2次補正予算提出時期の差で、景気に大きな差は出ない>
追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出時期は、来年1月召集の通常国会に先送りされることが決まった。提出時期の遅れに伴う景気への影響につ いて与謝野担当相は「国対(国会対策関係者)によると、いずれの時期に出しても国会運営の難しさから成立する時期はそう変わらない。提出時期の差によっ て、景気に大きな影響の差が出るほどのものではない」とした。
追加経済対策では中小企業の資金繰り対策が盛り込まれており、法案の成立が遅れることの影響が懸念されるが、この点でも「年末の中小企業金融は、十分対応できる」と語った。
ただ、「年末にかけて心配しなければならないのは、中堅企業・大企業の一部の資金繰りで、社債の発行が難しくなっている。CPの消化も十分出来ていない。 年末にかけて、政府・日銀は中堅企業・大企業等の資金繰りについても、場合によっては、いろいろ物事を考えていかなければならないことを念頭に置きながら 進まなければならない」と述べ、中堅企業や大企業の資金繰りにも目配りする必要性を強調した。
[東京 28日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は28日、閣議後の会見で、けさ発表された一連の経済指標を踏まえ、世界の景気後退の影響が日本の実体経済に出始めているとし「これから来年にかけて楽観できるような状況ではない」との厳しい認識を示した。
物価情勢では「物価が持続的に下落する状況ではない」としながらも、世界的にデフレ的な影響がこれから出る可能性があるとし、この点では心配しなければならないと述べた。
2次補正予算案の提出時期が来年に先送りされることが決まったことによる景気への影響はないとしながらも、年末にかけて中堅企業・大企業の資金繰りに配慮する必要があるとの認識を示した。
<デフレ懸念を否定>
10月の全国消費者物価指数(生 鮮食品を除く総合)は前年比1.9%上昇となり、伸び率が6月以来4カ月ぶりに2%を割りこんだ。物価情勢について与謝野担当相は、原油など資源価格の下 落や消費意欲の低下などが総合的に影響したと説明。デフレ入りの懸念には「デフレの従来の定義は物価が持続的に下落している状況で、(今は)従来のデフレ の定義とは違う状況だ」と否定した。
ただ、「いま米国などで使われている『デフレ懸念』は、ひとつのリセッションの形で、生産と消費が全般に縮小していくという状況だ。世界的には、信用も収縮し、設備投資意欲も減退するなかでの、日本へのデフレ的影響はこれから出てくる。従来のデフレの定義とは違うデフレーションは、心配しなければならない」と警戒した。
<雇用情勢は深刻、政府・与党あげて雇用問題に取り組む>
雇用関連指標では、10月の完全失業率(季節調整値)が3.7%と前月に比べ0.3ポイント低下した。しかし、与謝野担当相は「実体は違う側面があるので はないか。このレベルの失業率は雇用問題として政府・与党も心配しなければならない」と指摘。有効求人倍率が0.80倍に低下したことを「深刻に受け止め なければならない数字だ」と警戒した。
新卒者への内定取り消しの動きなどを挙げ、「働く意欲があり、働きたいという意思がある人が働けないのは、社会における大きな悲劇である」と述べ、「政府・与党あげて、雇用問題には取り組まなければならない」と繰り返した。
<生産には、いい数字はない>
さらに、10月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比3.1%低下の102.3となり、2カ月ぶりの低下となった。製造工業 生産予測指数も11月が前月比6.4%低下、12月が同2.9%低下と不調が続く見通し。これ受けて経済産業省は生産の基調判断を下方修正した。
加えて与謝野担当相は、在庫が増えている状況も挙げ「鉱工業生産にはいい数字はどこにも出ていない」と語った。
そのうえで全体の景気認識について「実体経済上、世界の景気後退の影響を受け始めた。これから、来年にかけては楽観できるような状況ではない」と厳しい見通しを示した。
<2次補正予算提出時期の差で、景気に大きな差は出ない>
追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出時期は、来年1月召集の通常国会に先送りされることが決まった。提出時期の遅れに伴う景気への影響につ いて与謝野担当相は「国対(国会対策関係者)によると、いずれの時期に出しても国会運営の難しさから成立する時期はそう変わらない。提出時期の差によっ て、景気に大きな影響の差が出るほどのものではない」とした。
追加経済対策では中小企業の資金繰り対策が盛り込まれており、法案の成立が遅れることの影響が懸念されるが、この点でも「年末の中小企業金融は、十分対応できる」と語った。
ただ、「年末にかけて心配しなければならないのは、中堅企業・大企業の一部の資金繰りで、社債の発行が難しくなっている。CPの消化も十分出来ていない。 年末にかけて、政府・日銀は中堅企業・大企業等の資金繰りについても、場合によっては、いろいろ物事を考えていかなければならないことを念頭に置きながら 進まなければならない」と述べ、中堅企業や大企業の資金繰りにも目配りする必要性を強調した。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者)
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