2008年11月28日(金)08:05
政府は28日、麻生太郎首相と関係閣僚による安全保障会議を開き、イラク復興支援特別措置法に基づき同国に派遣している航空自衛隊の年内撤収を正式決定する。これを受け、同日中に浜田靖一防衛相が撤収命令を出す。
空自は平成16年3月からC130輸送機3機体制で空輸活動を開始。クウェートを拠点にバグダッド空港やアルビルに多国籍軍や国連の物資や人員を輸送してきた。今年11月までの輸送実績は806回(物資約670トン)に上る。
空自の撤収でインド洋での補給活動と並び「テロとの戦い」の二本柱だった自衛隊によるイラク復興支援活動は終了する。一方で、26日夜にはインド・ムン バイでイスラム過激派によるとみられる同時テロが発生。日本人1人を含む101人が死亡し、テロとの戦いでさらなる貢献を求める国際圧力は強まりそうだ。
◇
航空自衛隊のイラク撤収決定はインド・ムンバイの同時テロと重なる最悪のタイミングとなった。政府は、陸上自衛隊撤収後も任務を続け、計806回の輸送 を無事切り抜けてきた同部隊を年明けからイスラム過激派の温床となっているアフガニスタンに振り向ける案を検討したが、幻に終わった。米国では来年1月に アフガン戦争終結を掲げるオバマ新大統領が就任するが、政府はイラク撤収後の明確な戦略を描き切れていない。
今年夏、空自が輸送を行うイラク・アルビルを訪れた自衛隊関係者はその様子にわが目を疑った。C130輸送機は着陸後もプロペラを止めず、物資を降ろす と間髪を置かずに飛び立っていく。任務の慢性化で隊員の緊張感が切れてもおかしくないのに、安全対策の基本動作を怠らない姿勢に驚きを覚えたのだ。
政府が自衛隊によるアフガン追加支援の可能性を探るため、現地調査団を送ったのは6月。米国が求めた陸自大型ヘリCH47の派遣のほか、空自C130輸送機をアフガンでの輸送に振り向けられないか、探るためだった。
その結果、首都カブールに近いバグラム空軍基地とタジキスタンにある米軍基地で輸送業務を担う案が浮上したが、公明党が一切の陸上派遣に反対を表明し、頓挫した。イラクからの年内撤収はすでに決まっていたが、空自は法律の期限が切れる来年7月までの派遣部隊の編成計画を準備していた。関係者は「イラクに派遣予定だった部隊をアフガンに移すことは十分可能だった」と悔しさを隠さない。
一度解散した部隊を再編成し、派遣するには相当の準備期間を要する。一方で、米国が求める陸自ヘリ派遣は地上からの銃撃に耐える防弾版の整備や、アフガ ン高地での飛行に備えたエンジンの高出力化などの改修が手つかずだ。防衛省は来年度予算の概算要求にこれらの整備費用を盛り込んでいるが、予算が認められ ても最初の3機の改修完了予定が24年度で、4年近く完全な形での派遣は不可能だ。
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政府は28日、麻生太郎首相と関係閣僚による安全保障会議を開き、イラク復興支援特別措置法に基づき同国に派遣している航空自衛隊の年内撤収を正式決定する。これを受け、同日中に浜田靖一防衛相が撤収命令を出す。
空自は平成16年3月からC130輸送機3機体制で空輸活動を開始。クウェートを拠点にバグダッド空港やアルビルに多国籍軍や国連の物資や人員を輸送してきた。今年11月までの輸送実績は806回(物資約670トン)に上る。
空自の撤収でインド洋での補給活動と並び「テロとの戦い」の二本柱だった自衛隊によるイラク復興支援活動は終了する。一方で、26日夜にはインド・ムン バイでイスラム過激派によるとみられる同時テロが発生。日本人1人を含む101人が死亡し、テロとの戦いでさらなる貢献を求める国際圧力は強まりそうだ。
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航空自衛隊のイラク撤収決定はインド・ムンバイの同時テロと重なる最悪のタイミングとなった。政府は、陸上自衛隊撤収後も任務を続け、計806回の輸送 を無事切り抜けてきた同部隊を年明けからイスラム過激派の温床となっているアフガニスタンに振り向ける案を検討したが、幻に終わった。米国では来年1月に アフガン戦争終結を掲げるオバマ新大統領が就任するが、政府はイラク撤収後の明確な戦略を描き切れていない。
今年夏、空自が輸送を行うイラク・アルビルを訪れた自衛隊関係者はその様子にわが目を疑った。C130輸送機は着陸後もプロペラを止めず、物資を降ろす と間髪を置かずに飛び立っていく。任務の慢性化で隊員の緊張感が切れてもおかしくないのに、安全対策の基本動作を怠らない姿勢に驚きを覚えたのだ。
政府が自衛隊によるアフガン追加支援の可能性を探るため、現地調査団を送ったのは6月。米国が求めた陸自大型ヘリCH47の派遣のほか、空自C130輸送機をアフガンでの輸送に振り向けられないか、探るためだった。
その結果、首都カブールに近いバグラム空軍基地とタジキスタンにある米軍基地で輸送業務を担う案が浮上したが、公明党が一切の陸上派遣に反対を表明し、頓挫した。イラクからの年内撤収はすでに決まっていたが、空自は法律の期限が切れる来年7月までの派遣部隊の編成計画を準備していた。関係者は「イラクに派遣予定だった部隊をアフガンに移すことは十分可能だった」と悔しさを隠さない。
一度解散した部隊を再編成し、派遣するには相当の準備期間を要する。一方で、米国が求める陸自ヘリ派遣は地上からの銃撃に耐える防弾版の整備や、アフガ ン高地での飛行に備えたエンジンの高出力化などの改修が手つかずだ。防衛省は来年度予算の概算要求にこれらの整備費用を盛り込んでいるが、予算が認められ ても最初の3機の改修完了予定が24年度で、4年近く完全な形での派遣は不可能だ。
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イラク空自、年内撤収 防衛相、午後に命令(共同通信) 11月28日 11:45
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国際貢献だの何だのって、扱いがデリケートなのは分かるけど、現状「違憲」と考えられる軍隊引っ張り出して、都合良く使い回そうったって無理があんじゃないの? そりゃGHQから賜った憲法に心底心酔できるかどうか?って話もあんだろうけど、法治国家が憲法蔑ろにしたんじゃ、却って物笑いの種にしかなんないような気もすんだけど....。 その意味で、日本が派兵しない理由を、真摯に国際社会に受け入れてもらうべく努力したでもなし、持ってる軍隊使わんのは怪しからん!!って外圧食らって、国民相手に奇妙な詭弁弄して、国際協力が必要だぁ!って既成事実拵えるつもりだっただけでしょ? 既に世界第二位の軍事費捻出してる国のことだし、どうすりゃイイのかなんて、簡単にゃ決着つかんだろう。 でも、対処療法でなく、騙しでなく、まず、国の総意を確定すべきなんじゃないの?
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