自民党最大派閥の町村派が揺れている。もともとライバル関係にある町村信孝・前官房長官と中川秀直・元幹事長の両代表世話人の
11日の町村派総会では、町村氏と中川氏の間に緊張した空気が流れた。
たばこ税の増税反対の持論を展開していた町村氏の隣に座っていた中川氏が、突然、「国民の6割がたばこ税を上げろと言っているんだ」といら立ちの声を上げたためだ。
町村氏は、麻生首相を支える姿勢を鮮明にすることで、派内の実力者で首相に近い森、安倍両元首相との連携を深め、派内の基盤を固めようとしている。9日には首相官邸に麻生首相を訪ね、「首相の主張を来年度予算で実現してもらうことが大切だ」と激励した。
森、安倍氏と盛んに接触しており、「町村氏は『ポスト麻生』として次の党総裁選に名乗りを上げるための布石を打っている」との見方すら出ている。
一方の中川氏は9日に「郵政民営化を堅持し推進する集い」、11日には「生活安心保障勉強会」の準備会を開催した。「集い」は出席者63人中25人、準備会は57人中26人が町村派で、派内の中堅、若手に影響力があるところを見せた。
いずれのグループも麻生政権後を見据えた「政界再編の布石」と見られており、首相との関係は芳しくない。関係者によると、経済人が仲介して12日に首相と中川氏との会談が予定されたが、結局、実現しなかった。
かつて側近として支えた森氏との関係は冷え込む一方で、10日に都内で開かれた森氏のパーティーには、町村氏が2年連続で呼ばれたが、昨年呼ばれた中川氏の姿はなかった。
派内の対立が先鋭化することを懸念して安倍元首相が中川氏の勉強会にも参加するなど町村、中川両氏の間を取り持つ役回りを果たそうとしているが、派内には「二極化が分裂につながらなければいいが」と心配する声も多い。
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