8日夕、都内で開いた自らのパーティーで渡辺氏は、800人の支持者を前に「頭の体操」と断った上で新党結成のシミュレーションを示すと、最後には「自身の姿」のようにこう力説した。
「裸一貫型はインパクトはあるし、大きく化ける可能性がある。覚悟だけでできる」
「麻生批判」があからさまになったのは、塩崎恭久元官房長官ら24人で結成した「速やかな政策実現を求める有志議員の会」が11月21日、2次補正予算案の今国会提出を政府に求めたころからだ。
「(参加すれば)倒閣運動とみられる。いいのか」と念を押したものの、メンバーから「渡辺さんの味を出せばいい」と容認され、メディアを通じて世論を喚起 する手法で政権批判を重ねてきた。首相が2次補正案の提出見送りを決めると、「選挙はやらない、景気対策は先送り。『なんじゃこりゃ』という感じだ」と語 気を荒らげた。
今月には、6日に町村信孝前官房長官から「他人の弱みに付け込んで足を引っ張るのは、まともな大人のやることではない。ど んどん逃げてもらいたい」と批判されると、7日のフジテレビ「新報道2001」で「そういう声が大合唱になれば(離党の)可能性もある。倒閣運動をやると きは腹をくくる」と応じた。出演後には「今国会で衆院を解散し、1月中に『危機管理内閣』を作ればいい」とも言い切った。
ただ、「麻生批判」には「当時幹事長だった麻生首相の差し金で福田改造内閣の行革担当相を留任できなかったと思っている」(渡辺氏周辺)ことも絡 んでいるようだ。11月29日のテレビ番組で司会者から「行革相で残れば…」と問われると、数秒の沈黙の後、つぶやくように「飛ばされました」と答え、同 氏を知る議員は「首相への恨みは相当なものがある」と漏らす。
「有志議員の会」は40人以上に膨らむ見込みで、全員が造反すれば与党によ る衆院での再議決は困難になる。しかし、パーティーに駆けつけた塩崎氏は「渡辺さんの発言だけを聞いて誤解されないようにしてほしい」と牽制(けんせい) し、「有志議員の会」が「反麻生」や新党結成で結束していないことがあらわになった。
中川秀直元幹事長や小池百合子元防衛相らによる社会 保障に関する議員連盟にも渡辺氏は参加するが、ここでも「反麻生」が強まることへの警戒感が他の議員にはあり、中川氏は初会合を1週間遅らせざるを得なく なった。渡辺氏も「地道に仲間を増やすしかない」と言わざるを得ず、先は見通せていないのが現状だ。
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渡辺元行革相:都内でパーティー 民主議員エール
自民党の渡辺喜美元行政改革担当相は8日、東京都内のホテルで政治資金パーティーを開いた。民主党からも、枝野幸男、松本剛明両元政調会長ら4議 員が出席。麻生政権批判を続ける渡辺氏に対し、あいさつに立った枝野氏は「いずれ民主党に来ていただくことになるかは分からないが、今の姿勢を貫いてほし い」と述べた。
「反麻生」急先鋒(せんぽう)の渡辺氏は、森喜朗元首相らベテラン議員から批判されるなど、党内では厳しい立場。この日は麻生政権と距離を置く中川秀直元幹事長や小池百合子元環境相らも姿を見せた。
中川氏は「渡辺氏は党内改革派のど真ん中にいる。そう遠くない時期に、本当の出番を迎える時がくる」とあいさつした。【三沢耕平】
毎日新聞 2008年12月8日 22時25分
やれやれ!
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