政府の経済財政諮問会議は9日、社会保障と税財政抜本改革の工程表(中期プログラム)に関する4回の集中議論を終えた。張富士夫トヨタ自動車会長ら民間議員は、これまでの議論を踏まえ、消費税などの増税について最終的に提言。社会保障目的税化や会計管理の透明性確保などを通じて負担増がすべて国民に還元されることを、制度として国民に分かりやすく提示する「見える化」を行うべきだとした。
これらを受け、麻生太郎首相は与謝野馨経済財政担当相に、中期プログラムの年内策定に向け、政府・与党で調整を図るよう指示。経財相は記者会見 で、「与党税制調査会が12日に税制抜本改革の基本的な考え方をまとめる。税調と整合性を維持し、政府・与党で成案を得る」と語った。
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「財政諮問会議「中期プログラム」提示見送り 消費増税「骨抜き」の懸念
政府の経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)は9日、税制抜本改革への道筋を示す「中期プログラム」の集中審議を終えた。原案は提示せず、プログラムの策定は、諮問会議を取り仕切る与謝野馨経済財政担当相と自民党税制調査会など与党との調整に委ねられた。与謝野経財相は会見で、与党の意向を尊重する考えを表明。衆院選を控えた与党は消費税の増税時期や上げ幅の明示に慎重で、中期プログラムは抽象的な表現にとどまる可能性が出てきた。
与謝野経財相は5日の閣議後会見で「(9日の会議には)相当煮詰まったもの、骨格的なものを出す」としていたが、増税に対する国民の理解をどのように得るかを議論するにとどまった。
会議では民間議員が「負担増はすべて国民に還元される、ということを制度として『見える化』することが必要」と強調。一般会計とは独立した特別な会計・勘定で管理し、消費税収をすべて社会保障給付に使うことを明確にする案などを検討した。ただ、特会などでの管理には給付に対する不足分をどのように補うかといった問題点があり、結論には至らなかった。
◇
「与党の命運がかかっている」-。与謝野馨経済財政担当相は9日の経済財政諮問会議終了後の会見でこう強調し、「中期プログラム」の根幹となる税制改革の内容は、与党主導で決めるべきだとの認識を示した。
経財相はこれまで「明示しなければ意味がない」と、消費税増税の時期や上げ幅を具体的に記すことに強い意欲を示していたが、衆院選を前に麻生内閣の支持 率が急落している政治情勢などを考えれば、諮問会議では国民に負担増を強いる税制改正の具体的内容に踏み込めないと判断したもようだ。
もともと、税制改正は自民党税制調査会を中心に与党が主導してきた経緯があり、これまで、諮問会議の出る幕はほとんどなかった。今回は自民税調幹部を長 年務め、党政務調査会とも太いパイプを持つ与謝野氏が経財相として取り仕切ることで、諮問会議を舞台にプログラム策定を進めてきた。
しかし、税制改正の内容は、次期衆院選の結果を左右しかねない。また、ただでさえ与党内には、選挙で選ばれたわけではない民間議員を中心とする諮問会議の政策決定に対する反感が根強い。その結論をたたき台とすれば、与党との合意が困難となる公算が大きいのは確かだ。
ただ、諮問会議の特徴は、会議後に経財相が内容について会見するとともに、3日後に議事要旨を公開するなどの透明性にある。一方、自民税調は一部の幹部 が“密室”の非公式会合で税制改正を決める。自民税調の議論に移れば、国民にわかりにくい形で、将来の負担増を伴うプログラムが最終決定されることになる 恐れがある。抽象的な内容が「選挙前の増税隠し」と有権者に見透かされれば、逆効果となることも考えられる。
税制抜本改革は当初、平成19年秋の議論で実現する予定だったが、衆参の“ねじれ国会”などの政治情勢で先送りされ現在に至っている。諮問会議ではこう した状況を打破するために、あらかじめ法律で税制改革の時期を規定し、景気が一定以上に保たれていれば半ば自動的に実現する道筋を模索していた。
与党の反対で時期や上げ幅を明示できなければ、こうしたアイデアも“絵に描いたもち”に終わり、社会保障制度安定化に向けた抜本改革が遠のく懸念が強まる。(高橋寛次)
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税制抜本改革は当初、平成19年秋の議論で実現する予定だったが、衆参の“ねじれ国会”などの政治情勢で先送りされ現在に至っている。諮問会議ではこう した状況を打破するために、あらかじめ法律で税制改革の時期を規定し、景気が一定以上に保たれていれば半ば自動的に実現する道筋を模索していた。
与党の反対で時期や上げ幅を明示できなければ、こうしたアイデアも“絵に描いたもち”に終わり、社会保障制度安定化に向けた抜本改革が遠のく懸念が強まる。(高橋寛次)
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