水曜日, 11月 26, 2008

【政論探求】何とも厄介「60日規定」


産経新聞2008年11月26日(水)08:05
 国会は「60日規定」にまたまた振り回されている。衆院可決後、参院でたなざらしとなった法案は60日たたないと衆院で再可決(3分の2の賛成が必要)できない。

 福田康夫前首相はこれによって国会運営が思うように進まず、1年で退陣せざるを得なかった。麻生太郎首相は「早期解散」をちらつかせていた間は民主党の審議促進姿勢を引き出すのに成功していた。だが、解散先送りに転換するや、民主党はやはり「60日規定」を利用する戦略に戻った。
 小沢一郎代表が麻生首相に「第2次補正予算案の今国会提出」を迫った背後には、その思惑が隠されている。だから麻生首相としてもうかつに乗れない。
 参院でそれなりの審議を終えて否決してくれれば、衆院再可決が可能になる。宙づりにされたら対応不能に陥る。「60日規定」は国会が続いていなければ適用できないのだ。
 だから、麻生首相は来年1月早々に通常国会を召集して、第2次補正予算案と関連法案を冒頭処理する考えだった。これなら60日間かかっても年度内成立が可能になる。
 現在、参院で審議中の新テロ特措法改正案は12月20日に、金融機能強化法改正案は1月5日に60日規定適用が可能になる。そこまでを臨時国会延長で処理し、いったん国会を閉幕してただちに通常国会を召集すれば、すべてうまくいく。

 麻生首相が漢字の読みを間違えたり、交付税と交付金をごっちゃにしたり、郵政株を売却しないと発言したりしたことによって、自民党内が騒がしいようだが、まあ一過性の騒ぎに終わるだろう。いくらなんでも「麻生おろし」に発展するようなことはあるまい。そうなれば、自民党はいよいよおしまいだ。

 臨時国会は1月29日までの延長が可能だ。これを踏まえて綱渡りの奇策に出る手はなかった。「定額給付金」を切り離して、これだけ盛り込んだ第2次補正予算案と関連法案をつくる。ここ一両日の間に国会に提出し、衆院で強行可決して参院に送る。

 これなら、臨時国会を最大限に延長すればかろうじて60日を生み出すことが可能だ。残りの景気対策は第3次補正予算、あるいは来年度本予算として通常国会に回す。国会は大混乱になるだろうが「民主党の求めで今国会に提出したのに、国民が期待する給付金支給法案に反対するのか」と開き直って、粛々と所要の 手続きを進めればいい。

 ちまちまとした与野党攻防ではなく、こういうメリハリのある構図にしてくれると、国民にとっても判断しやすくなる。(客員編集委員 花岡信昭)

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与党の戦略としては、そんなんあり?って感じだけど、確かにこの提言通りに進めておれば、メリハリの点のみならず、申し分ないなかったんじゃない? 民主党に二の矢三の矢があるかどうか?!ってトコなんだろうけど、恐らく、大義名分かなぐり捨てて訳の分からん党首会談画策して、党首討論に応じなかったのは、世論の後押しを期待してただけでしょ? それにしたって、小沢さんの好感度が上がったって話は、ついぞ耳にしていないし、まぁ嵌めようとして嵌められた!って状態に陥ってたでしょう。 その点「アンタ」は、申し分ない動きを見せた訳だ。
とは言え、少なくとも今は、この手の手練手管に長けた人間が、坊ちゃんの側近にいなかっただけでも、良かったと思....うーん....思える日が来るとイイなぁ....。

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