月曜日, 12月 15, 2008

予備費1兆円でシーリング変更へ 予算上限額突破


朝日新聞2008年12月15日(月)21:44
 麻生首相が新たな経済対策で1兆円の「経済緊急対応予備費」の新設を打ち出したことを受け、財務省は15日、09年度予算の概算要求基準(シーリ ング)を変更する方針を明らかにした。予備費新設により、今夏のシーリングで決めた予算上限額を突破するためだ。変更は村山政権の96年度予算以来で、歳 出増の歯止めを守れない異例の予算編成になる。
 シーリングは財務省が主な分野ごとに予算の上限額を定める仕組み。夏に閣議了解し、これに沿って12月後半に予算案を決める。
 09年度予算のシーリングは、公共事業費や社会保障費などの政策的経費である「一般歳出」の上限を47.8兆円(基礎年金の国庫負担引き上げなどは除く)とし、このうち災害発生などに備える予備費は、前年度と同額の3500億円までとしていた。
 政府は3日に閣議決定した09年度予算編成の基本方針でもシーリングは「維持」としていたが、麻生首相は12日の記者会見で1兆円の予備費追加を発表。シーリングを守れなくなった。
 財務省の杉本和行事務次官は15日の記者会見で「予備費は(7月の)閣議了解の際に想定されなかったものを新たに措置した。新たな閣議了解の必要があ る」と指摘。政府は予算編成作業が大詰めを迎えるなかで、従来の一般歳出の上限額に1兆円を加えた新しいシーリングを近く閣議了解する。
 追加の予備費は雇用対策や公共事業などに使うことが想定されている。政府は「骨太の方針06」に基づき、シーリングで「公共事業費3%削減」や 「社会保障費の伸びを2200億円抑制」などを定めているが、予備費から支出されれば、これらの歯止めは崩れたことになる。シーリングの変更は95年末、 村山内閣がバブル崩壊後に経営悪化した住宅金融専門会社(住専)を処理するため、96年度予算で約7千億円を追加した例がある。(五郎丸健一)

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首相「消費増税」中期計画の法制化見送り 与党の反対で
朝日新聞2008年12月15日(月)22:13
 麻生首相は15日、3年後の消費増税を明記すると宣言した「中期プログラム」について、法制化までは行わない考えを示した。政府内には、財政規律 維持のため、あらかじめ消費増税に向けた具体的道筋を法制化することを求める意見があるが、公明党は消費増税の時期を盛り込むこと自体に反対で、法制化に こだわれば、深刻な対立を招きかねないと判断したとみられる。
 首相は15日の参院決算委員会で、「安定財源の確保をきちんとやっておかな いと対応できない。消費税を考えておかないと中(レベルの)福祉をやっていくには耐えられない」と述べ、中期プログラムに3年後の消費増税を明記する意欲 を改めて示した。ただ、法制化については、同日夜、記者団に「必要性はあんまり感じない」と語った。12日決定した与党税制改正大綱は消費増税に関して 「必要な法制上の措置をあらかじめ講じておく」と法制化に含みを持たせていたが、首相自ら封じたことになる。
 経済財政諮問会議は11月、「多年度の減税増税を一体的に法定し、実施時期を明示しつつ、段階的に実行する」ことで大筋合意。前提条件が整えば、政治状 況に左右されず速やかに増税できるようにする狙いがある。与謝野経済財政相はプログラム法の制定などを例示し、「諮問会議としては法定化する方向で議論し ていく」と述べていた。
 しかし、増税時期の明示には公明党が強く反対。中期プログラムのもとになる09年度与党税制改正大綱への盛り込みも見送られた経緯がある。自民党 内にも「3年後の増税を掲げて選挙を戦うのか」(中川秀直元幹事長)との異論があり、首相としては、中期プログラムへの明記は譲らない一方、法制化にはこ だわらないことで、この問題を決着させたい考えだ。

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中期プログラムに消費税上げ時期明記へ、首相が決意表明(トムソンロイター) 12月13日 10:02
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中期プログラムに消費税上げ時期明記へ、首相が決意表明
トムソンロイター2008年12月13日(土)10:02
 [東京 12日 ロイター] 12日決定した2009年度与党税制改正大綱で明示されなかった消費税引き上げ時期について、麻生太郎首相は今夕の記者会見で「2011年度から消費税を含む抜本税制改革を開始したい」と明言。
 政府が年末に閣議決定する「中期プログラム」への抜本改革開始時期の明記を言明した。
 首相発言は「大もめにもめることも承知で、堅固な社会保障制度を構築するための首相の強い決意表明」(政府筋)との声が上がっている。ただ、与党大綱のてん末は選挙を意識して、自民党公明党の主張に大きく譲歩した結果だ。中期プログラムをめぐる衝突は政局の火種にも発展しかねない危うさをはらんでいる。 
 与党大綱は増減税一体の改革の方向性と段取りを丁寧に描き出した。橋本龍太郎政権下での財政改革法の失敗を省みて「経済動向の変化に弾力的に対応する」と いう弾力条項の重要性を盛り込み、実施に備え「必要な法制上の措置」を事前準備する必要性に踏み込んだ。改革の実効性を担保するために「抜本改革の道筋を 立法上明らかにすること」が将来世代に付け回しせず中期的課題に応える政治の「責任」とも述べ、増減税一体の法定化の必要性にも踏み込んだ。いずれも、政 府の経済財政諮問会議が積み重ねてきた税制抜本改革の方針と重なる考え方だ。
 唯一異なったのが、消費税を含む抜本改革の開始時期をあいまいにしてしまった点だ。どんなに遅くても来年秋には実施される衆院選を意識した議論の先送りが 優先されてしまった。大綱は「経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」とするにとどまり、増大する社会 保障費の安定財源確保に向けた歩みは、停滞を余儀なくされる事態とみられている。
 これに与謝野馨経済財政担当相や麻生首相が一石を投じて いる。麻生首相は中期プログラムへの消費税引き上げ時期明記は「2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」とした与党の税制改正大綱に反して いないと説明。あらためて「基本的に3年後に消費税を引き上げる方針でやっていく」と表明した。
 与謝野担当相も12日の会見で与党大綱の 表現ぶりへの失望感を「自民党が責任政党として最後まで踏ん張れなかった」ことと評した後、中期プログラムについて「政府と与党の言うことが異なることは 十分あり得る」と踏み込み、同プログラムに増税時期を明記したい考えを示した。「景気が回復してから議論を始めていたのでは時期を逸する。二の矢、三の矢 を放っていく」(政府筋)──。その決定打の1つが首相の決意表明だったのかもしれない。
 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者;編集 田巻 一彦)

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首相の指導力問われていない=消費税時期明記見送りで与謝野担当相(トムソンロイター) 12月12日 12:08
与党合意に消費税上げの具体的な時期明記なし(トムソンロイター) 12月12日 08:40
税制抜本改革に消費税率盛り込まず=与党税制協(トムソンロイター) 12月10日 21:54
政府税調答申 財政“緩和”を容認、消費税率も触れず(産経新聞) 11月29日 08:05

結局....よくわかってないな....

与党、予算案の年度内成立に全力=民主「定額給付金の分離審議を」


時事通信2008年12月14日(日)14:30
 与野党の国対委員長は14日、NHKの討論番組に出演し、次期通常国会に提出される2008年度第2次補正予算案、09年度予算案について議論した。与党は両案の年度内成立に全力を挙げる考えを表明、野党に審議引き延ばしをしないよう求めた。これに対し、民主党は定額給付金など賛成できない部分の分離審議を求めたが、与党は拒否した。
 自民党大島理森氏は、国際的な金融危機に触れ、「与野党が生活の危機を守るために早く結論を出すことが責務だ」と強調。公明党の漆原良夫氏も「予算、関連法案を年度内に成立させることが最大の課題、目標だ」と述べた。
 民主党の山岡賢次氏は、定額給付金について「(世論調査で)8割が(経済効果を)否定
している。分けて議論したらいい」と提案したが、漆原氏は「全体を一つのパッケージとして考えている。つまみ食いは賛成できない」と拒否した。

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2次補正予算案は年明けに通常国会提出=麻生首相(トムソンロイター) 11月25日 16:35
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好きにしろよ....。

緊急雇用対策関連4法案を参院に提出
求められるスピード・実効性・セーフティネット拡大実現へ
 民主党は、社民、国民新と野党3党共同で15日午前、緊急雇用対策関連4法案を参議院に提出し、直嶋正行政調会長はじめ、福山哲郎政調会長代理、小林正 夫・党非正規雇用対策プロジェクトチーム事務局長、津田弥太郎、松野信夫、吉川沙織各議員ら法案発議者が揃って会見を行った。
 会見では直嶋政調会長が内容を説明し、小林議員から全国で深刻化する雇用情勢の悪化を踏まえ、スピードと実効性とセーフティネットの拡大を早急に実現していかなければならないとの意向が示され、法案成立への決意が表明された。法案内容は以下の通り。

 (1)採用内定取消しを規制する「労働契約法改正案」…客観的に合理的な理由に基づき、社会通念上相当であると認められる場合でなければ内定取消しが無効であることを明確にするもので、悪質な内定取消しについては会社名の公表を政府に求める。
 (2)非正規労働者も雇用調整助成金の対象にする「派遣労働者等解雇防止緊急措置法案」…契約期間中の解雇や派遣切りをできる限り防止するため、事業主 に対して助成される雇用調整助成金について、要件の緩和や支給日数の延長などを緊急に実施し、2カ月以上勤務している非正規労働者の休業等も助成対象とす る。また、労働日すべてについて支給されるものとする。
 (3)派遣労働者等の就労支援のための住まいと生活の支援する「住まいと仕事の確保法案」…雇い止めや解雇により住居を失った派遣労働者や、雇用保険の 受給資格がなく生活に困窮する失業者等に対する支援のため、職業訓練や職業紹介とセットで、住宅を貸与し、生活支援金を給付する。貸与する住宅は、雇用促 進住宅や公営住宅、民間アパートやワンルームマンションなどを借り上げにより確保する。生活支援金は最高月額10万円とし、一定の要件があれば返済を免除 する。急を要する施策であり、公布の1カ月施行、年内の実施を目指す。雇用保険の二事業のうち雇用安定事業のメニューとして実施する(雇用保険法改正 案)。派遣労働者に寮などを賃貸している派遣会社等に対して、雇い止め後、即時退去を求めないよう配慮を求め、一定期間提供した事業主には家賃を助成する (雇用保険法改正案)。
 (4)雇用保険制度の拡充によりセーフティネットと雇用を確保する「雇用保険法改正案」…現行では一年未満の雇止め規定があると被保険者にならない場合 があることから、雇止めの有無にかかわらず、被保険者とする。基本手当の受給資格要件の被保険者期間を現行の12月から6月にする。雇止めにより失業した 場合は非自発的失業者と認定する。基本手当の日額を増額し、一定の非自発的失業者に対する給付日数を延長する。短期の雇用に就く派遣労働者についても、短 期雇用特例被保険者とする。特例一時金の給付期間を現行40日分から60日分に延長する。国の雇用政策の責任を明確化するためにも、雇用保険の国庫負担を 堅持し、保険料率の引き下げは行わない。こうした施策の実施により、非正規労働者を広く雇用保険でカバーし、セーフティネットの対象範囲を拡大する。
 (5)期間の定めのある労働契約の締結、更新、終了のルールを明らかにする「有期労働契約遵守法案」…契約期間中の解雇は基本的に無効であることは労働 契約法第17条に明示されているにもかかわらず、安易に派遣労働者や期間従業員に対する契約期間中の解雇が安易になされている事態を踏まえ、有期労働契約 の締結事由や差別的取扱いの禁止、有期労働契約における解雇の取扱い、契約期間途中の退職、雇止めの制限等を定める。
※(3)と(4)はひとつの法案として提出した。
PDF 労働契約法改正案
PDF 派遣労働者等解雇防止特別措置法案
PDF 住まいと仕事の確保法案および雇用保険法改正案
PDF 有期労働契約遵守法案

何もせんより「マシ」じゃない?

野党3党が雇用法案提出 非正規対策でアピール


 民主、社民、国民新の野党3党は15日午前、非正規労働者の雇用環境改善などを目指す雇用関連法案を参院に提出した。2008年度第2次補正予算案の今国会提出を見送った政府、与党と景気・雇用問題への取り組み姿勢の違いを際立たせたい考え。
 野党案は、派遣労働者や期間従業員の相次ぐ大量解雇を受けて、契約期間中の解雇制限や雇用継続のための企業助成、失業者の生活支援が柱。資金繰りが厳しい中小企業支援策として、法人税率を半減する関係法改正案も同時に提出。
 3党は今国会での早期の審議入りを目指すが、与党側は難色を示しており、見通しは立っていない。
2008/12/15 11:16 【共同通信】


雇用対策4法案を参院提出=派遣切り、内定取り消しに対処-3野党
時事通信2008年12月15日(月)14:30
 民主、社民、国民新の野党3党は15日午前、派遣・非正規労働者との契約を更新しないなどの「派遣切り」や、新卒者の内定取り消しが急増する事態に対処するため、雇用対策関連4法案を参院に共同提出した。
 3党が会期末を10日後に控えたこの時期に独自法案を提出したのは、雇用対策を掲げながら財源となる2008年度第2次補正予算案の提出を先送りした政府・与党の「無策ぶり」を浮き彫りにする狙いもある。民主党小沢一郎代表は京都市内で記者団に「少なくとも参院としては3党で成立(通過)を図り、衆院で政府・自民党の判断を待つ」と述べ、与党が抵抗した場合でも参院での採決強行も辞さない考えを示した。

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雇用関連4法案 野党3党が提出(産経新聞) 12月15日 16:55
野党3党が雇用対策4法案、野党3党が参院提出(朝日新聞) 12月15日 11:39
「雇用」4法案の参院通過目指す 民主、今国会で(産経新聞) 12月13日 08:05
内定取り消し電話相談 学生、悲痛な叫び(産経新聞) 12月12日 08:05
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雇用関連4法案 野党3党が提出
産経新聞 2008年12月15日(月)16:55
 民主党は15日午前、「派遣切り」防止策などを盛り込んだ雇用関連4法案を国民新党、社民党とともに参議院に共同提出した。政府が今国会への平成20年度第2次補正予算案提出を見送る中で、雇用問題への取り組みをアピールするのが狙い。民主党は強行採決も視野に今国会中の参院通過を目指す方針だ。
 4法案は、採用内定取り消しの規制▽雇用調整助成金の助成対象の拡大▽雇い止めや解雇で住居を失った派遣労働者への住宅貸与▽雇用保険制度の拡充-などが柱。
 また、民主党は、中小企業の法人税率半減などを盛り込んだ税制改正2法案を独自に提出した。

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一時しのぎの雇用対策 産業界、助成・奨励金の効果疑問視(産経新聞) 12月06日 08:05
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政府の無策ぶりを訴えたいとこなんだろうけど、いい加減「政局」追うのもどーかと思うぞ。
本当に国民の方、向いて考えた結果、こうするしかなかったんか?

内定取り消し防止を=文科省が経済4団体に要請
時事通信 2008年12月15日(月)22:30
 文部科学省は15日、日本経団連など4団体に学生の内定取り消し防止などを求める要請文を塩谷立文科相名で出した。「内定取り消しは本人に大きな打撃と失望を与え、社会全体にも不安を与える」と指摘し、やむを得ず内定を取り消す場合にも就職先確保に配慮するよう促した。

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【参院決算委】将来の不安をなくすことこそ重要


 足立信也議員は、15日午前の参議院決算委員会で、「神本議員に続いて『自公政権の総決算』として質問」すると前置き。社会保障に関して「満足度が低い が緊急性が高いのが年金、満足度が高く緊急性も高いのが医療である」との調査結果を示し、将来不安をなくすことが経済・景気対策としても重要であると指摘 し、定額給付金2兆円を「消された年金」の記録訂正に使用するべきだとした。
 麻生首相は、年金記録改ざんは「あってはならぬこと。厳しく対処し、善処する」としたが、給付金については答えなかった。
 続いて記録改ざんに関し
て社会保険庁の本庁、厚生労働省の関与があったかどうかとの足立議員の質問に、舛添厚生労働大臣は、「今後、全体の解明をしていく」と答えた。
 また、足立議員は、首相の「運動もせずたらたら食べている人の医療費の分をなぜ払うのか」との発言を、予防医学の大事さを指摘したものと理解するとした うえで、どのような具体策を考え、指示しているのかを質した。首相は、一般論として病気にならない、健診、病後のリハビリが大切としたものの、「個人の主 体的な取組みが大切」と述べるに留まり、政府としての取組みには何ら重点をおかない考えを示した。
 足立議員は、予防が大切であるのなら、地域予防の考えを取り入れるべきとして長野県の例を挙げ、保健師を医療提供者に含めるべきではないか、と提案した。
 さらに、保健師の年齢制限を撤廃すれば、退職した看護師も再び医療に携われると提案、参院では決議もしたとして見解を質した。鳩山総務大臣は、「決議は重く受け止める」と答えた。
 続いて、二階産業経済大
臣の妊婦受け入れ拒否に関する「モラルの問題」との発言を取り上げ、真意を質した。二階大臣は、「少しでもこうした事故を少なくしようというのが真意」と説明したが、謝罪しなかった。足立議員は謝罪すべきと注意した。
 足立議員は、予算の発想を変え、教育、医療・介護、年金に集中的に取り組むべきと主張して質問を終えた。



【参院決算委】「子ども第一」に予算組み替えを

 神本美恵子『次の内閣』ネクスト子ども・男女共同参画担当大臣は、15日午前に行われた首相以下全大臣出席の参議院決算委員会の総括質疑に立ち、決算審議を予算に反映させるよう求め、特に「子ども第一」で予算編成を見直すよう要求した。
 麻生首相は、決算が大事と
の認識は示したものの、具体的な施策については答えなかった。
 神本議員は、特別会計の余剰金を有効に活用して、安易に消費税を引き上げるべきではないと主張したうえで、首相が発表した23兆円の経済対策の財源をどこから調達するのかを質した。首相は、特別会計法に示されている範囲でそれぞれの特別会計から調達すると答えた。
 また、定額給付金について、首相が「1億円の年収がある人がもらうのはさもしい」と発言したことを取り上げ、定額給付金をもらうのがさもしいとなれば、 各種の給付金・助成金を受け取ることがさもしいことになる、これらは元々税金であるとして、真意を質した。首相は、「多額の年収がある人がもらわないのは 人間の矜持の問題」と答え、いわゆる生活弱者の気持ちには全く配慮しなかった。
 次に、神本議員は、平成19年度決算における少子化対策の予算と決算に触れ、予算と決算で桁が違い執行されていないこと、しかも、20年度予算にも19年度予算とほぼ同額が計上されていることも指摘、見解を質した。
 小渕少子化担当大臣は「少
ない額で目的を達したものもある」と答えたうえで、「もったいないことが生じている」としたが、決算を生かした予算編成には触れなかった。
 神本議員はまた、子どもの貧困率を取り上げ、日本では所得再配分後の係数がなんら変わっていないことを指摘し、「子ども第一」に予算を編成するべきと主張した。首相は、「教育に格差がつくことは避けねばならない」と答えただけで、具体的施策には触れなかった。



【参院決算委】藤本議員、自治体の事務費不正経理問題など質す
 藤本祐司議員は15日午前の参議院決算委員会で、会計検査院の検査報告の指摘事項や、自治体の国庫補助事業の事務費不正経理問題などについて質問した。
 藤本議員は冒頭、平成19年度決算検査報告における指摘事項の合計金額が1200億円を超えたことへの見解を質し、麻生首相は、政府一丸となって対応に 取り組むよう各大臣に厳命したと述べた。藤本議員は、同報告に初めて記載された「過去の是正指摘事項」において、昭和21年度から平成18年度までの未済 金合計が1億円以上ある省庁を指摘。厚生労働省、財務省、法務省について、各大臣に回収の状況の報告を求め、債権回収や会計処理の方法の見直しについて答 弁を求めた。首相は、財務省と会計検査院につめさせると答えた。
 藤本議員は続いて「国庫補助事業に係る事務費等の不正経理の仕組み」という表を示し、12の道府県で、補助金を「預け金」「差替え」としてプールするな どして、別に支出していた事例を取り上げた。鳩山総務大臣は「こういう事業のため使ってくれと国が渡した金がゴルフボールに化けているとすれば、刑事事件 に近い気がする」と述べ、交付決定をできるだけ早くするなど、使い勝手の悪い面を研究改善しなければならないとした。
 藤本議員は補助金の問題については、財務省としても全体像の把握はしておくべきだと指摘、補助金等適正化連絡会議を開く意味があるかも疑問だとした。 「制度の問題、法律の問題、意識の問題を総合的に考えていかなければならない」として、「がんじがらめのひも付き補助金」を批判、一括交付金にして首長に 責任をもたせ、工夫をして効率的にやってもらうべきだと語った。
 藤本議員はまた、会見で景気対策を打ち出しながら口だけに終わり、2次補正を来年に先送りする首相の態度を指摘。具体的に法案を提出した民主党との大き な違いだとした。首相は、補正予算と本予算について党首討論で小沢代表が、審議に協力・参加して結論を早く出すという言葉に期待しているとした。藤本議員 は「緊急の意味をよく理解して出していただきたい」として質問を終えた。


何かパッとしないね....。

出先機関3万5千人削減要求、分権委が再確認へ


読売新聞2008年12月14日(日)03:04
 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は16日に緊急の会合を開き、第2次勧告に盛り込んだ国の出先機関の職員約3万5000人の削減目標について、政府に具体的な対策を求める要求事項であることを再確認する。
 各省からの出向者らが集まる分権委の事務局が最終的に作成した勧告の文章では、数値目標部分が「政府に措置を求める対象」から除外されるような文章が挿入されていることがわかったためだ。
 分権委が第2次勧告を決定した8日の会合では事務局が中心となって作成した勧告原案に対し、丹羽委員長が、出先機関職員約3万5000人の削減 (このうち地方移譲2万3100人)を勧告に盛り込むよう提案。各委員が了承した。その後、事務局が「突貫工事」で原案を修正し、丹羽氏が麻生首相に勧告 を手渡した。
 最終的な勧告には数値目標を盛り込んだ「出先機関の改革の実現に向けて」(第2章の4)
の最後の部分に、「政府に対して具体的な措置を求める事項 は、5及び6のとおりである」との一文が挿入されていた。「5」と「6」は、出先機関の組織改革などに関するもので職員の削減目標には触れていない。この ため政府内では、勧告後、「職員数の数値目標は、政府が来年3月末までに策定する統廃合計画に入れる対象ではない」とする見方も広がっている。

 ある分権委の委員は「事務局の官僚は姑息 ( こそく ) な手段を使った」と批判している。

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国の6出先機関統合 地方分権委第2次勧告 3万5000人削減試算(産経新聞) 12月09日 08:05
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名前を伏せて報道する意味があるのかどうかはともかくとして、行政の「あり方」みたいなもんに関しては、もう少し見とくべきなんだろうね。 付け焼刃だけど、こんなコラム添付したりして....

地方分権論議に逆行する役人の無神経さ
国の出先機関が入る合同庁舎の建設計画にはあきれる
 世の中は不景気だというのに、合同庁舎として高層ビルを建設する計画が宮城県仙台市で持ち上がっていた。114億円をかけて、地上20階、地下2階のビルを建設する計画だ。
 現在、仙台市内にある国の出先機関は、5階建ての仙台第1地方合同庁舎(仙台市青葉区)に入っている。18階建ての宮城県庁舎の真向かいにあり、合同庁舎の西側にはテニスコートが設置されている。
 2008年春に着工する予定だった仙台第1地方合同庁舎の「増築」計画では、現行庁舎の西側に隣接する土地に高層ビルを「増築」。新しく建てられたビルには、東北地方整備局、東北財務局、東北経済産業局など国の出先機関が入る予定だった。


◇ 合同庁舎の建設計画は、なんと2000億円以上
 じつは仙台市には、9月に地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長(伊藤忠商事会長)が視察に行っていた。そこでの役人の説明は、あくまで「増 築」であり、たいしたものではないという話だった。だが、5階建て庁舎の横に20階建て庁舎を建てるのは、「増築」ではなく「新築」と言うべきだろう。丹 羽委員長に事実を伝えれば反対されることがわかっていたから、役人はわざと曖昧な言い方をしていたのだ。
 しかし、最近になって河北新報が事実をつかんだ。河北新報からコメント取材を受けて、僕もその事実を知り、早速、11月26日の地方分権改革推進 委員会でこの問題を取り上げた。仙台以外にも、同じような建設計画が隠されているのではないかと思い、合同庁舎の建設計画をリストアップするよう要求した のである。
 12月2日の委員会に提出された一覧表(右の表を参照)を見ると、案の定、仙台以外にも全国に数多くの建設計画があることが判明。次から次へと巨額な予算消化の実態が見えてきた。
 まず事業採択年度が07~08年の建設計画を見てみよう。既に着工済みか、これから着工して数年後に完成する建設計画である。
 仙台第1地方合同庁舎を含む建設計画は全部で15件。仙台第1地方合同庁舎の114億円をしのぐものとしては、地上10階、地下1階で、総事業費 148億円の東雲合同庁舎(東京都江東区)がある。そのほかにも、大津地方合同庁舎(滋賀県大津市)が地上12階、地下2階で、総事業費82億円。熊本地 方合同庁舎A棟(熊本県熊本市)が地上12階、地下1階で、総事業費82億円。熊本地方合同庁舎B棟(熊本県熊本市)が地上10階、地下2階で、総事業費 90億円、などとなっている。
 これら07~08年の建設計画を合計すると、総事業費は940億円になる。
 つづいて事業採択年度が09年の建設計画。全部で21件の建設計画があり、仙台第1地方合同庁舎を超える大型プロジェクトがならぶ。地上10階、 地下2階で、総事業費134億円の横浜地方合同庁舎(神奈川県横浜市)。地上7階、地下1階で、総事業費133億円の新宿若松地方合同庁舎(東京都新宿 区)。また、地上20階、地下1階の大阪第6地方合同庁舎(大阪府大阪市中央区)は、なんと総事業費172億円である。大都市圏以外でも、和歌山地方合同 庁舎(和歌山県和歌山市)は、地上11階、地下1階で、総事業費は80億円もかかる。
 これら09年の建設計画を合計すると、総事業費は1109億円。07~09年の建設計画を合わせると、2049億円にものぼる。ちょっと信じられない金額だ。高齢者医療が問題だというなら、このお金を福祉に回せと言いたい。

◇ むしろ学校の地震防災対策を優先すべきではないのか

 合同庁舎建設には、事業目的が必要だ。ところがその事業目的を見てみると、ほとんどが「地震防災機能を発揮するために必要な合同庁舎」という内 容。もっともらしい理由をつけたつもりなのだろうが、仙台第1地方合同庁舎を例にとれば、現行の合同庁舎はすでに耐震基準を満たしている。地震防災のため に20階建てのビルをわざわざ「増築」する必要はないのだ。
 そもそも、地震防災のためというなら、全国の学校について優先すべきだろう。子どもたちや地域住民の安全を守るために、学校の地震防災対策をしなければいけないときに、なぜ必要性のない合同庁舎にお金をかける必要があるのか。
 2日の地方分権改革推進委員会では、これら事業計画の凍結を要望した。丹羽委員長も「常軌を逸している」と計画を批判。すると、金子一義国土交通大臣があわてて計画は見合わせると言ってきた。
 役人は予算を消化することしか頭にない。だから、必要性とは関係なく、出先機関の合同庁舎を機械的につくろうとする。同じことは、参院議員宿舎問題についても言える。

◇ 国の建物を無駄につくることはだれも望んでいない

 これまでも書いてきたように(第52回「参院宿舎に6000人の反対署名」参照)、東京・紀尾井町にある参院清水谷宿舎の立て替え計画が問題になっている。現宿舎に隣接する建設予定地の自然を守るべきだとして、地元住民が反対。石原知事も、「森をつぶしてまで建設することには絶対に反対」と発言し続けている。
 なんとか計画を進めたい参院の議員宿舎プロジェクトチームは、新しい建設計画案を11月21日に東京都へ提出してきた。しかし、その頃、石原知事 はクアラルンプールに、僕はテヘランにそれぞれ出張中。2人とも不在のときに計画案を持ってきて、26日の期限までに回答しろというのだが、そんなことは 無理に決まっている。結局、期限は延び延びになっていて、まだ結論は出ていない。
 景気、不景気に関係なく、次から次へと建物をつくる。そういう無駄なことを当たり前のようにやっているのが、民間の発想からは理解できない。つくる必要がないものをつくるために、参院は結論を先延ばしにして粘っているのだ。
 出先機関の合同庁舎も、とりあえず今は見合わせると言っているが、もし結論を先延ばしにして計画再開の機会をうかがっているのだとしたら、そんなことは許されない。国の建物をこれ以上無駄につくることを、国民はだれも望んでいないはずだ。

◇ 二重行政をやめて出先機関を減らせば、広いオフィスは必要ない

 役人が合同庁舎の建設計画をひそかに進めているなか、地方分権改革推進委員会では第2次勧告の内容を詰めていた。12月8日に出た第2次勧告では、出先機関の数を減らすことを提言している。
 国の出先機関には、大規模な人員、予算が集中している。しかし、国と地方の間で宙ぶらりんな存在であるため、住民の監視の目が届きにくい。二重行政になっているのだ。
 二重行政の弊害は、具体的に現れている。たとえば道路特定財源の無駄遣い。出先機関とその外郭団体で、豪華な車が購入されるなど無駄遣いが横行していた。出先機関を舞台とした官製談合事件も多発。いわゆる事故米の不正流通問題では、出先機関の杜撰な対応が批判された(第57回「米農政は社会主義のようだ」参照)。
 これら出先機関の人員、予算を地方自治体に移すことで、議会を通して住民が監視することができる。地域の民主主義によるガバナンス(統治)に任せ て、スリムで効率的な行政を実現する。具体的には、たとえば地方農政局の農業統計部門、地方整備局の道路・河川、厚生労働省労働局のハローワークなどを地 方自治体に移管・縮小する。
 二重行政をやめて、出先機関を減らすという第2次勧告が出ることは、役人も知っていたはずだ。出先機関をできるだけ地方に移せば、残った出先機関 の規模は小さくなる。小さくなった出先機関に、広いオフィスは必要ないから、合同庁舎の建設計画も大幅に見直されなければならない。
 にもかかわらず、役人は計画通りに合同庁舎を建てようとしていた。そのなかには、ハローワークが入る予定の横浜地方合同庁舎も含まれている。第2 次勧告が移管・縮小するといっているハローワークのために、存続を前提とした合同庁舎を建設するのだから、これは嫌がらせに等しい。地方分権論議に逆行す る役人の姿勢は、あまりに無神経だ。

追加景気対策「お役所任せの平時モード」


読売新聞 2008年12月13日(土)22:55
 自民党の渡辺喜美・元行政改革相は13日、福島県白河市で講演し、麻生首相が発表した総額23兆円規模の追加景気対策について、「役人の立案だ。 こういう時にお役所任せにしておくと、平時モードの対策しか出てこない。100年に1度の対策をとらないといけないのに、麻生内閣は(大胆な政治的)決断 ができていない」と批判した。
 また、「私は志の高い、この国を変えないといけないという首長さんたちに呼びかけてみようと思っている」と述べ、全国の都道府県知事や市町村長らと連携し、政策提言を行っていく考えを示した。

渡辺喜美公式ホームページ
支持率急落で自民動揺…うごめく「反麻生」、対立先鋭化も(読売新聞)
「倒閣やるときは腹くくる」=退陣要求の可能性に言及−自民・渡辺氏(時事通信)
「1940年体制」はこう倒す:渡辺喜美 (Voice)


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追加経済対策、金融機能強化法の公的資金枠は12兆円へ=首相(トムソンロイター) 12月13日 01:57
「反麻生じゃない」中川元幹事長らが勉強会(朝日新聞) 12月11日 21:19
内閣支持率30%切る 自民に反麻生連合の兆し(産経新聞) 12月02日 08:05


最近、この人の談話は、とても理解し易い。

首長と連携し政策提言へ 渡辺元行革相
朝日新聞2008年12月14日(日)01:42
 渡辺喜美元行政改革担当相は13日、福島県白河市で講演し、「志の高い、この国を変えないといけないという首長さんに(連携を)呼びかけてみよう と思う」と述べ、知事や市町村長らと連携して、政策提言に取り組んでいく考えを示した。渡辺氏は「23兆円の対策も役人の立案だ。お役所任せにしておく と、平時モードの対策しか出てこない」と、麻生首相が発表した経済対策を批判。「この国を変えていくことが本当に求められている。官僚主導から政治主導 に、中央集権から地方分権に」と語り、行政改革などをテーマに、首長との連携を深めていく考えを示した。

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厚労省所管 雇用・能力開発機構 経産省と共管で調整 中小対策名目(産経新聞) 12月10日 08:05

雇用破壊は“政治災害”


政府は解決の責任果たせ
テレビ東京系 志位委員長が発言
 「人員削減や内定取り消しのニュースが後を絶たない中、存在感を増しているのが雇用対策を強く訴える日本共産党です」――こんな紹介から始まった 十三日のテレビ東京系番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」に、日本共産党の志位和夫委員長が生出演し、政治の果たすべき責任を語りました。(詳報
 番組ホストの田勢康弘氏(日経新聞客員コラムニスト)は「まじめに汗を流して働いている人が幸せになれない国は相当ひどい国なんじゃないか」と述べ、志位氏に意見を求めました。
 志位氏は、一九九九年の労働者派遣法改悪(派遣業務の原則自由化)など労働法制の規制緩和によって、大企業が、景気のいいときには正社員を派遣や 期間工に置き換えて大もうけをし、悪くなったら真っ先に非正規労働者を切り捨てるというやり方がまん延したと指摘。「こういう横暴勝手が自由にやれる仕掛 けをつくった政治の責任は重い」と強調しました。
 この「政治災害」には、政治が責任をもって、違法・無法な非正規「首切り」をやめさせるという「お願いではなくて、(政府による大企業への)指導・監督をやるべきだ」と話しました。
 「世界に名だたる大企業」による「首切り」をあげた田勢氏に、志位氏は「最初に引き金を引いたのはトヨタだ」と、トヨタ自動車九州が夏までに八百人の派遣を削減していたことを紹介。大規模人員削減をすすめているキヤノン、ソニーなど大企業の責任に言及しました。
 日本経団連の御手洗冨士夫
会長(キヤノン会長)が、非正規切りは「苦渋の選択」などと言い訳していることについて田勢氏は「苦渋の決断にしてはずいぶん早い」と批判しました。
 志位氏は減益といってもキヤノンは、五千八百億円の営業利益を見込んでおり、内部留保は三・三兆円もあると指摘。日経新聞によると、上場企業の75%が株主への配当を維持するか増やすと言っていることを示し、「これは間違った資本主義だ」と述べました。
 田勢氏は志位氏と対談した後、「ずっと同じことを言い続けている政党は貴重。これから、役割が大きいんじゃないかと思う」と感想を語りました。

「TVみた、労働者の味方だ」
志位委員長出演に反響

 日本共産党の志位和夫委員長が生出演したテレビ東京系番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」を見て、党本部には、女性が涙声で「頑張ってください」と電話してくるなど、電話やメールでの感想が相次ぎました。
 「いまテレビで志位さんの話を聴いているが、たいへんインパクトがあり、びっくりしている」と番組最中から電話をしてきたのは、川崎市の男性。 「雇用問題について、本当に人間的な、説得力のある発言をしている。まさしく労働者の味方、人間を大切にする政党ですね」と期待を込めました。
 メールでは、大阪の男性が「大企業は人減らしを進める一方、大もうけをしているんですね。党員も若い方が増えているとか」と、感想を寄せました。
 「志位さんの話を聞いてすっきりしました」とメールを北海道から送ってきた人は、「普通のニュースでは、自民VS民主だの、なんだのの空騒ぎくらいしか報道されず、聞きたかったことがようやく放送されたという感じです」と記していました。

2008年12月14日(日)「しんぶん赤旗」


内定取り消し、“派遣切り”――政治の責任でやめさせよ
志位委員長語る(テレビ東京系番組)

 日本共産党の志位和夫委員長は十三日、テレビ東京系番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」に生出演し、雇用危機に対して政治の果たすべき責任を語りました。主な聞き手は、早稲田大学大学院教授で日経新聞客員コラムニストの田勢康弘氏です。
 司会者の大江麻理子アナウンサーが、深刻化する雇用問題をこの日の「トップ記事」として紹介。「人員削減や内定取り消しのニュースが後を絶ちませ ん。こうしたなか、存在感を増しているのが、雇用対策を強く訴える日本共産党です。そこで今日は、ゲストに共産党委員長の志位和夫さんをお迎えしました。 雇用を守るために、いま何をすべきなのか。志位さんと田勢(康弘)さんに、トコトン話し合っていただきます」と述べました。

 田勢 今日のゲストは、日本共産党の志位委員長です。ようこそおいでくださいました。
 志位 よろしくお願いします。
 田勢 おそらく、私の記憶でも、お一人でテレビ東京にお見えになるのは初めてじゃないですか。
 志位 そうですね。
 田勢 今日はじっくりと、雇用問題を中心にしていろんなことをお尋ねしたいと思います。


◇ 内定取り消し――
労働契約は成立、許されるものではない
 大江 まずは、相次ぐ内定取り消しについてなんですけれども、この状況というのはどういうふうにごらんになっていますか?
 志位 内定というのは労働契約ですから、これを一方的に取り消すというのは、解雇と同じになるわけですね。ですから、これは当然、ただ業績が不振になった、景気が悪くなったということで、取り消すということは許されるものではない。
 田勢 ちょっとVTRを見ていただきましょう。

 番組では、不動産大手の日本綜合地所から採用内定を取り消された大学生三人が労働組合関係者と団体交渉に向かう場面がVTRで流されました。
 ナレーションでは、内定時に社長自らが、「業界は不況だが、ウチは大丈夫」と説明していたのに、その翌月に「業績の悪化」を理由に五十三人全員の内定を取り消したことが明らかにされました。
 交渉では会社側が、「迷惑料」として、これまで一人四十二万円を支払うとしてきた金額を百万円に増額すると提案しただけ。学生側が「留年した場合 の学費と家賃を合わせれば、とても百万円では生活できない」と訴えると、会社側は「会社が生活費まで面倒を見る理由はありません」と冷たい言葉を返しまし た。
 ナレーターは、「不況の波を乗り切らなければならないいまこそ、企業には人材を預かる責任が問われている」と指摘しました。
 田勢氏が、「このVTRごらんになって、どんなご印象ですか」と問いかけたのに対し、志位氏は、「本当に心が痛む」と述べて、成立した労働契約を 一方的に取り消した企業の違法性をあらためて指摘するとともに、「ちょっと業績が悪化したとか、不景気だということで、安易に人の一生を左右するような取 り消しをやるというのは絶対に許すわけにはいかない」と批判しました。
 その上で、志位氏は、VTRの内容について、次のように語りました。

 志位 VTRを見ましたが、学生のみなさんが労働組合に個人で入り団体交渉をしていましたでしょう。あれはできるんですよ。ですから、泣き寝入りしないでがんばっていくことが大事です。労働審判への申し立てもできますし、いろいろとたたかっていくことが大事です。
 それから、政府は、内定取り消しをやった不埒(ふらち)な企業について、企業名を公開するのはあたりまえですが、それにとどまらず、違法行為ですから、(政府の)指導・監督で実際にやめさせるというイニシアチブがどうしても必要だと思います。


◇ “派遣切り”――しくみをつくった政治に責任

 番組では、四日に東京・日比谷公園で開かれた「労働者派遣法の抜本改正をめざす12・4集会」で志位氏が、「景気のいいときには、非正規への置き 換えでもうけ、悪くなったらモノのように使い捨てにする。大企業のこんな横暴勝手は絶対に許すわけにはいきません!」と訴える姿が映し出されました。ま た、志位氏が麻生太郎首相と党首会談をおこない、緊急雇用対策を申し入れた模様も紹介されました。
 一方、日本経団連の御手洗会長が大量解雇について、「苦渋の選択」などと弁明する姿も映し出されました。

 田勢 私、思うんですけれども、まじめに汗を流して働いている人が幸せになれない国というのは、相当ひどい国なんじゃないか。いつ の間に、日本はこんなことになってしまったのか。しかも、大きな企業、「世界のなんとか」というふうにいわれる大企業が真っ先に雇用調整の名のもとに切り やすいところから切っていくというこのやり方です。いったいどうしてこんなことになったんでしょうか。
 志位 流れとしては、一九九〇年代の後半から、いわゆる労働の規制緩和がずっとすすみ、とくに一九九九年には労働者派遣法が原則自 由化される。そして、二〇〇四年には、製造業にまで派遣労働が解禁になり、派遣という一番切りやすい働かせ方がまん延しました。それで、(大企業が)景気 のいいときには正社員を派遣や期間工に置き換えて大もうけをし、(景気が)悪くなったら真っ先に調整弁のように(非正規労働者を)捨てるという横暴勝手が 自由にやれる仕掛けをつくったんです。私は、「政治災害」(だと思います)。政治の責任というのは重いですから、いま起こっていることの解決も、政治が責 任をもって、こういう“派遣切り”や“期間工切り”をやめさせるべきです。“お願い”ではなく、きちんと指導・監督を政治の責任でやるべきです。


◇ トヨタ、キヤノン――名だたる大企業が引き金ひいた

 田勢 そうですね。来年は(大量の派遣契約期間切れが予想される)二〇〇九年問題というのが出てきます。(机の上に企業名と解雇者数の表示)これをみても、本当に名だたる大企業が、みんな数千人単位で(首切りをしている)。
 志位 その企業のなかで、結局、今回のいわゆる“派遣切り”がどこから始まったかというと、最初に引き金引いたのはトヨタです。す でに八月の段階で、トヨタ自動車九州で八百人の派遣労働者を切った。このことが引き金になり、“あのトヨタがやっているんだから”ということで、横並びで 自動車業界にダーっと広がり、それが電機産業に及び、他の産業にも及んだ。つまり、日本を代表するリーディングカンパニー(主導的企業)が引き金を引いた んです。
 田勢 (日本)経団連会長を出した企業、そのトヨタ、キヤノンが真っ先に…。
 志位 そうです。トヨタ、キヤノン、ソニー、こういう名だたる大企業が引き金を引いた。そういうところが引いたら、“じゃあウチも当然やっていいだろう”ということでまん延したんです。この責任は重いと思いますね。
 田勢 そういうときにやはり立ち上がるべきは政治と労働組合じゃないかと思うんですが、どうも両方ともきちんと役割を果たしていないように思うんですが。
 志位 政治の方についていうと、私は麻生内閣はいろいろと(雇用対策の)メニューは出てきているけれど、現に行われている“派遣切 り”や“期間工切り”という事態は、労働法に照らしても違法あるいは違法性の極めて高いものです。これをきちんとやめさせるという厳しい指導が必要なの に、これをやらないでおいて、失業させられたあとの手当てだけを考えている。これ(手当て)は必要ですが、しかし、それも(来年)四月以降(の実施)で、 時期遅れのものです。このように、政治が責任を果たしていない。


◇ 労働組合――いすゞや大分キヤノンなどのたたかいに希望

 志位 ただ、労働組合についていうと、私が非常に最近希望を持っているのは、たとえば、あのいすゞ(自動車)です。いすゞが千四百 人の派遣労働者と期間労働者を年内に全員解雇するといい、しかもほとんどが契約中途の解除ですから、違法な解雇です。これに対して、栃木の工場と神奈川県 の藤沢の工場で、若い方々が労働組合をつくって、解雇撤回、正社員化を目指して立ち上がっているという動きが起こりました。
 それから、大分キヤノンでは、派遣労働者、請負労働者の方々が組合に結集しました。キヤノンは、派遣切り、請負切りをやっている一方で、期間工は 募集しているんです。だから、仕事がないわけじゃないでしょう。だったら、優先してそこに(派遣・請負労働者を)就けなさいというたたかいを起こしていま す。
 田勢 ただ、全体的にみますと、連合のような、いわゆる労働組合のナショナルセンターのようなところは、いってみれば正規社員の労 働組合の集まりみたいなところがあると思うんです。どうしても派遣労働者の問題というのは後手後手になってきたような気がしますよね。こういう問題は別に しても、派遣で働いている人たちの受けているマイナスは、相当深刻な問題がたくさんあると思うんです。
 志位 やはり、正規労働者が、派遣あるいは期間社員という非正規労働者の問題は、自分たち自身の問題としてとらえて、共同して連帯 してたたかうということを、もっともっと強めないといけません。それをやらないと、結局今度は正社員にも切り捨ての波が襲ってきます。現に日本IBMやソ ニーは、正社員も含めて切り捨てが始まろうとしているわけですから、これは非正規・正規の壁を越えて、あるいはナショナルセンター、労働組合はいろいろあ りますが、壁を越えて連帯してたたかうことが大事だと思いますね。
 田勢 経済大国といわれる日本で、いま貧困が一番大きな問題になりつつある。これはいったいどういうことなのかという感じがします。
 志位 やはり、正規社員から非正規社員への置き換えがこの十年間ものすごく進んだわけです。それから年収二百万以下で暮らしてい る、いわゆる「働く貧困層」の方が一千万人ぐらいの規模で広がってしまっている。問題は、いまやられている“派遣切り”、“期間工切り”というのは、「働 く貧困層」を切っているわけです。そうすると、職を失うと同時に住居からも追い出されるわけだから、この師走の寒空のもとで路頭に放り出されることになる わけです。これはどんなことがあってもやってはならない。
 田勢 さきほどのVTRで、御手洗(日本)経団連会長が、「個々の企業の苦渋の決断」による雇用調整だと(のべました)。しかし、苦渋の決断にしては、ずいぶん早いじゃないかと思いますけどね。
 志位 私、御手洗さんの発言聞いて、よくああいうことが言えるなと思ったのは、例えばキヤノン一つとっても、減益とはいっても、今 年度の利益の見通しは五千八百億円の黒字企業です。それから内部留保=ため込み金は三・三兆円あるんです。株主配当は中間配当だけでも七百十五億円です。 株主の配当はやっておいて、労働者は切る。それでため込み金はいったい誰のおかげでため込んだかといったら、派遣や期間社員(の働き)です。
 田勢 ある時期まで日本は「労使対立」とかいろんなことがありましたけれども、まあ、基本的に会社はやっぱ従業員を大事にしてきた。(志位「そうですね」)それがもう“大事なのは株主だ”という感じになっている。
 志位 そうですね。例えば、このまえ日本経済新聞に出ていましたが、上場企業の75%が、この不況期でも株主への配当は維持するか増やすといっているんです。株主への配当は増やしながら従業員を切るというのは、これは間違った資本主義です。
 田勢 アメリカ型の考え方が、急速にこの五年くらいの間にぱぁっと広がってきたということですよね。

◇ 党員増――若い人が「入党させてほしい」と事務所に
 志位 そうですね。
 大江 そんななかで日本共産党は党員数が増えているんです。現在の党員数はおよそ四十万人なんですけども、去年の九月から今年の十 二月までに(新規党員で)約一万三千人も増えています。その内訳を見ますと、二十代から三十代が二割、四十代から五十代が六割、そして六十代以上が二割と いうことで、若年層が増えてきているのが特徴だそうです。
 志位 以前はだいたい(二十代、三十代は)一、二割だったんです。ところがいま二割から三割くらいになってきてますから、若い方の入党が最近増えているのはうれしいことです。
 大江 その背景にはどういうことがあるんですか?
 志位 いろいろありますが、私たちはこの間、とくに「働く貧困層」の問題の解決にずっと取り組んできたなかで、若い方が、(イン ターネットの)ホームページなどで共産党の主張をずっとみていただいて、それで共鳴して、先方から私たちの事務所に来て「入党させてほしい」ということが 全国各地であるんです。いままでは、(そういうことは)あまりなかったですね。
 田勢 「たしかな野党」っていう言い方をされてますよね?
 志位 ちょっと前までは言っていましたが、今度はそのフレーズだけでは…。私たちは、与党になるという志(こころざし)をもっていますから。ですから、「政治の中身を変えよう」ということをいっています。
 田勢 二十一世紀のなるべく早い時期に民主(連合)政府をつくることに向けてですか。
 志位 それに向けて第一歩の前進になるような結果を、今度の(総)選挙で出したいと私たちは考えています。


◇ 暮らし守る緊急課題にとりくみながら総選挙でも前進を

 田勢 最近の政治を見ていると、“どうすればどの党が有利か”みたいな議論ばっかりで、やはりあるときは党派を超えて、ここはもう大変な時期なんだから、雇用問題なら雇用問題で一緒にやろうじゃないかと、そういう動きがあってもいいんじゃないかという気がするんですけど。
 志位 やっぱり政治全体を見ていますと、選挙でどうやったら有利になるか、あるいは政局をどうやったらリードできるか、そんな話 ばっかりで(田勢「そんな話ばっかりですよね」)、一番大事な、国民の多くが苦しんでいる雇用の問題や社会保障の問題、農業の問題、そういう問題が正面か ら議論されていないと思うんですね。私たちは、こういう状況のなかで、本当に暮らしを守る緊急のたたかいをあらゆる分野で起こしているところです。実際に 暮らしを守りながら、選挙でも勝ちたいと思っています。
 田勢 しっかりお願いします。
 志位 ありがとうございました。
 田勢 ありがとうございました。
 (対談を終わって志位氏は退場)
 大江 共産党の志位さんとお話になっていかがでした?
 田勢 私も久しぶりにお目にかかったんです。やはり、ずっと同じことを言い続けている政党というのは貴重です。ですから、これから役割が大きいんじゃないかと思いますね。
 大江 そうですね。


昨今の若者に大人気らしいね。 まぁ実現の可能/不可能を度外視すれば、イデオロギーとしての完成度は高く、美しいよね。