日曜日, 11月 16, 2008

情報BOX:金融サミット首脳宣言の骨子

トムソンロイター 2008年11月16日(日)08:37

 [ワシントン 15日 ロイター] ワシントンで開かれた緊急首脳会合(金融サミット)は15日、金融危機の克服と再発防止に向けた「必要なあらゆる追加的措置」を盛り込んだ首脳宣言を採択した。

 状況に応じた内需刺激のための財政政策の活用や、金融政策による支援の重要性に言及するとともに、金融規制当局の国際連携強化や国際通貨基金(IMF)など国際機関の改革・活用の必要性を強調した。来年4月末までに次回会合を開催することも合意した。骨子は以下の通り。

<今次危機の根本的な原因>

● 高い成長、資本フローの伸び、安定が続いた期間に、市場参加者はリスクの適正評価なしに高利回りを求め、ぜい弱な引き受け基準、不健全なリスク管理慣行、 複雑で不透明な金融商品と結果としての過度のレバレッジがシステムをぜい弱にした。いくつかの先進国では、政策・規制当局はリスクを適切に評価せず、金融 の技術革新についていけなかった。背後にある主な要素は、一貫性と調整のないマクロ経済政策と不十分な構造改革などであり、これらが世界的マクロ経済上の持続不可能な結果を導いた。

<とられた措置およびとるべき措置>

・努力の継続と金融システム安定に必要なあらゆる追加的措置の実施。

・適切と判断される場合における金融政策による支援の重要性を認識。

・財政の持続可能性の維持に資する政策枠組みを確保しつつ、状況に応じ、即効的な内需刺激の財政施策を活用。

・新興国・途上国の資金調達を支援。危機対応における国際通貨基金(IMF)の重要な役割を強調し、新たな短期流動性ファシリティを歓迎。

・世銀、国際開発金融機関が開発支援にその能力を活用するよう奨励。

・IMF、世銀、国際開発金融機関が危機克服で引き続きその役割を果たすために十分な資金基盤を確保。

<金融市場の改革のための共通原則>

●危機の再来を防止するため、金融市場と規制枠組みを強化する改革を実施する。規制当局間の国際連携、国際基準の強化およびその一貫した実施が必要。金融機関もまた混乱の責任を負い、その克服のために役割を果たすべし。

●われわれは以下の改革のための共通原則と整合的な政策の実施にコミット。

・透明性および説明責任の強化:複雑な金融商品に関する義務的開示の拡大、金融機関の財務状況の完全・正確な開示の確保を含め、金融市場の透明性を強化。インセンティブは過度のリスク・テイクを回避するよう調整されるべし。

・ 健全な規制の拡大:すべての金融市場・商品・参加者が状況に応じて適切に規制され、あるいは監督の対象となることを確保することを誓約。合意され強化され た国際的行動規範に整合的に信用格付会社に対する強力な監督を実施。規制枠組みを景気循環に対してより効果的にする。国内規制制度の透明性の高い審査にコ ミット。

・金融市場における公正性の促進:投資家・消費者保護を強化し、利益相反を回避し、不法な相場操縦、詐欺行為、乱用を防止し、非協力的な国・地域から生じる不正な金融リスクへの対抗などにより、世界の金融市場の公正性を保護することにコミット。

・ 国際連携の強化:各国・地域の規制当局が規制、その他の措置を整合的に策定するよう要請する。規制当局は、国境を越える資本フローを含め、金融市場のすべ ての部門において協調・連携を強化すべし。規制当局などは優先課題として危機の予防・管理・解決のための連携を強化すべき。

・国際金融機関の改革:世界経済における経済的比重の変化を適切に反映できるようブレトンウッズ機関の改革推進にコミット。最貧国を含め、新興国・途上国がより大きな発言権と代表権を持つべし。金融安定化フォーラム(FSF)は新興国に早急に加盟国を拡大すべし。

<閣僚および専門家への指示>

● 財務大臣にG20指導国(ブラジル、英、韓)の調整により、プロセス・スケジュールの開始を指示。具体的な措置の最初のリストとして、2009年3月31 日までに完結すべき優先度の高い行動を含めて行動計画に規定。他の経済国や既存の機関が任命する専門家の提言も参考にしつつ、各国の財務大臣に対し、以下 の分野を含む追加的な提言の策定を要請。

◇規制政策における景気循環増幅効果の緩和。 

◇市場混乱時の複雑な証券についての国際会計基準の見直しと調整。

◇信用デリバティブ市場の強じん性と透明性の強化およびシステミック・リスク軽減。

◇リスク・テイクと技術革新へのインセンティブに関連する報酬慣行の見直し。

◇国際金融機関の権限、ガバナンスおよび資金需要の検討。

◇システム上重要な機関の範囲を定義し、その適切な規制・監督の決定。

●われわれは、金融システム改革におけるG20の役割にかんがみ、今次原則と決定の実施をレビューするため、2009年4月30日までに再び会合する。

<開放的な世界経済へのコミットメント>

●保護主義を拒否し、内向きにならないことの決定的重要性を強調。この観点から、今後12カ月の間に投資・貿易に対する新たな障壁を設けず、新たな輸出制限を課さず、世界貿易機関(WTO)と整合的でない輸出刺激策もとらない。

●WTOドーハ・ラウンドを成功裏に妥結に導くモダリティについて本年合意に至るよう努力。貿易大臣に対してこの目標の達成を指示し、必要に応じ直接支援する用意をする。

●現下の危機が途上国に与える影響に留意。ミレニアム開発目標の重要性、開発援助に関するコミットメントを再確認。

関連ニュース



ちょっと分かりやすいかな?
これに坊ちゃんが、必要だったのかどうか?って話になると、微妙な気はするものの....。

IMFに外為特会より最大1000億ドル資金融通の用意=麻生首相提案


 [東京 14日 ロイター] 政府は、14日からワシントンで開催される緊急首脳会議(金融サミット)で、麻生太郎首相が提言する金融危機克服に向けた提案の概容を発表した。

国際通貨基金(IMF)に対し、外国為替資金特別会計から最大1000億ドルの資金融通を行う用意があることを正式表明し、IMFの新興国向け融資を側面支援する。金融危機防止策として、IMFの市場監視機能や早期警戒機能を向上させる必要性も提言する。

 一方、市場の一部で懸念されるドル基軸通貨体制維持に対して、ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべきと強調。今回の金融危機の根底にグローバルな不均衡の問題があることをあらためて喚起し、ドル基軸通貨体制を支える努力として、各国が構造改善を推進する必要があると訴える。 

 <危機の根底にはグローバルな不均衡問題> 

  麻生首相は提言で、まず今回の金融危機の根底に「グローバルなインバランスの問題があり、基軸通貨国アメリカへの世界中からの資本流入という形でアメリカ の赤字がファイナンスされているという根本があることを忘れてはならない」と指摘。資本移動が瞬時に起こり得る現状では、金融危機防止のためには、「各国 の様々な政策努力を収れんさせ、いかに協調した行動をとるかが不可避の課題だ」と世界的な政策協調を訴える。 

 <外準活用の新興国支援策では、他の追随も呼びかけ> 

 そのうえで短期・中期・長期に分けて政策を提言。短期の金融市場安定化策では、90年代に日本が金融危機を乗り越えた教訓を踏まえ、資本注入策や企業再生の取り組みの重要性などを示す。

 金融危機防止のための中期的課題として、まずマクロ経済運 営で「過剰消費・借入依存の国における過剰消費抑制策と、外需依存度の大きな国における自律的な内需主導型成長モデルへの転換」を主張。各国が世界経済の 減速に対応する重要性を強調すると同時に、日本では10月30日に追加経済対策をまとめ取り組みを進めていることを表明する。

 また、金融 危機を未然に防ぐとともに支援体制を強化する狙いから、国際金融システムの機能強化を提言。具体的には、(1)IMFの市場モニタリング機能や早期警戒機 能の向上、(2)世界の成長のけん引役を期待される新興国に対しIMFが必要な支援を行うための増資の必要性──などIMFの機能強化を求める。

  IMFは約2000億ドルの余剰資金を抱え、ただちに資金難に陥る恐れはない。しかし、政治的な駆け引きがからむ増資には時間がかかることから、麻生首相 は増資が実現するまでの当面の対応として、新興国支援などでIMFが資金不足に陥った場合、IMFからの要請を前提に、外貨準備から最大1000億ドルの 融資を行う方針を表明する。

 日本の外貨準備高は10月末現在で9777億ドル程度で、中国に次ぐ世界第2位の規模。関係者によると、他の潤沢な外貨準備の国にも追随を呼びかける。

 また、金融危機の影響で民間資金の流入が細る一方で資金需要が高まった結果、融資余力が少なくなったアジア開発銀行に関して、早急な一般増資を提言する。 

 <FSFの機能強化> 

  今回の金融危機発生には、新たな金融商品の登場に対して各国の監督・規制が追いつかなかった問題を踏まえ、会議では、各国の金融監督や格付け、会計基準の あり方も議題になる見通し。これに対して麻生首相は金融監督では、「各国の金融監督局、財政当局、中央銀行の合議体である金融安定化フォーラム (FSF)」を、銀行、証券、保険監督をつなぐ上位組織として位置づけ、IMFとの協働を通じて機能を強化すべきと提言する。さらに、加盟国に偏りがある ことから、「新興国をメンバーに加え再構成」する必要性も示す。

 会計基準のあり方では、国際会計基準審議会に行政当局や企業、投資家の参 画を提言し、時価会計主義偏重からバランスのとれた議論を模索する。また、格付けの問題では、証券監督者国際機構(IOSCO)を中心に格付け機関の自主 ルールが強化されてきたが、法的権限をもたせる方向の議論も提案する。 

 <長期的な通貨体制、ドル基軸通貨体制を支える努力> 

 市場では、世界最大の債務国である米国のドル基軸通貨体制が今後とも安定的に持続するか懸念が存在する。この懸念に対して麻生首相は「ドル基軸通貨体制を支える努力を払うべき」と提言し、各国に構造改善努力を訴える。

 麻生首相提言は金融危機克服に向けた日本政府のスタンスを総括するものだが、金融サミットでは時間の制約から全てを提示出来ない場合も想定されている。

関連ニュース



意気込みはわかるものの、感覚的に対岸の火事から、どれだけ身近な話になったのかな?ってトコなのは、あんまり変わらない。 この人が国の危機を叫ぶ度に、空疎に感じるのだ。 世界的に問題ありそうなのと、日本が置かれた状況の真の危機感があるように思えない。


金融サミットで日本の経験示す、具体的宣言を評価=麻生首相

トムソンロイター 2008年11月16日(日)13:47

 [ワシントン 15日 ロイター] 麻生太郎首相は15日夕、緊急首脳会合(金融サミット)終了後に記者会見し、今回のサミットで日本が経験した金融危機時の対応策を示し、具体的な提言を行ったと述べた。

 また、金融サミット宣言が具体的な内容になったことを評価したいとの見解を示した。

 麻生首相は今回のサミットについて「100年に1度の大変な金融危機に見舞われたが、歴史は危機を克服して新しいチャンスとしたことを示している。1929年の大恐慌の際にはうろたえたが、今回は全く違う。協調の枠組みができている」と語った。

 また、1997─98年に金融危機に直面し、克服した日本への期待の大きさと役割の大きさを感じたと指摘。「日本の経験を示し、新しい枠組みを主導し、具体的な提言も行った。宣言にも反映された」と述べた。

 麻生首相は、今回のサミットが「歴史的なものと後世、評価される」と述べた上で、金融危機への短期的、中長期的対応に分けて「宣言で具体的になったことは評価できる」と語った。

 麻生首相は、日本の経験を踏まえ、銀行の不良債権を徹底的に開示し、不良債権を銀行のバランスシートから分離し、足りなくなった自己資本は公的資金の投入で対応するプロセスの重要性と適切さを強調した。

 同時に金融不安がマクロ経済に与えるマイナスのインパクトにも言及。中小国への支援に関連し、国際通貨基金(IMF)の資金基盤を強化する必要性があり「日本からIMFに1000億ドルを融通する用意があることを表明した」と述べた。

 他方、中国や産油国からは具体的な発言がなかったことについて、麻生首相は「発言がなかったからだめというわけでないと期待している」と語った。

 さらに規制・監督体制の見直しや時価会計の取り扱いについて、各国間で共通の取り組みをする方向で議論したと述べた。

 一方、保護主義は受け入れられないとの点で各国が一致したことを表明するとともに、通貨体制問題の根底には、貿易の不均衡があると分析。基軸通貨国には赤字体質の改善を求めるとともに、外需依存の国には内需拡大に努めることを求める議論があったことも示した。

  実体経済への悪影響が広がらないようにするためには、世界の成長センターであるアジアの成長維持が欠かせないとの認識を示し「各国が自律的成長に向け て、(政策対応を)やってもらわねばならない」とし、年内に開催されるASEANプラス3や、東アジア首脳会合などで議論を深めていく方針を示した。

 また、アジアでは決済システム問題があるとの問題意識も示した。

 記者団からオバマ次期米大統領に対する見方を聞かれ、すでに電話会談をしたことを披露した上で「アジアに関心を持っている人という印象だ」とし、日本にとって大きな意味があるとの見解を示した。

関連ニュース



当たり前の対策は、淡々とこなせば良い訳で、悪戯に国民の危機感を煽って、自身の保身に身を窶している印象が否めない。


金融サミットでは追加的措置強調、市場は即効性乏しいと評価

トムソンロイター 2008年11月16日(日)14:58

 [ワシントン 15日 ロイター] ワシントンで行われた20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)が15日閉幕。会議終了後に会見に臨んだ各国首脳は、口をそろえて成果を強調したが、市場では、課題解決に向けた即効性を疑問視する声が多い。

 サミットは、世界経済の成長回復や世界の金融システム改革に向けて協調することで合意するとともに、「必要なあらゆる追加的措置の実施」を盛り込んだ首脳宣言を採択した。

 宣言では内需刺激のための財政政策の活用のほか、金融政策による支援にも言及。監督・規制当局による国際連携の強化や国際通貨基金(IMF)、世界銀行など国際金融機関の機能強化を含めた金融市場改革の原則を確認し、実行の工程を明示した行動計画をとりまとめた。

 <金融システム安定に「あらゆる追加的措置」、金融政策にも期待感>

  首脳宣言では、現在の金融危機の原因について「この10年弱の世界経済の高い成長、資本フローの伸びおよび長期にわたる安定が続いた期間に、市場参加者は リスクの適正評価なしに高利回りを求め、適切なデュー・デリジェンスを怠っていた」と分析するとともに、「いくつかの先進国では、政策・規制当局はリスク を適切に評価せず、金融の技術革新についていけなかった」と当局サイドの対応にも問題があったことを認めた。

 こうした反省を踏まえ、宣言 では「努力の継続と金融システム安定に必要なあらゆる追加的措置の実施」を表明。金融危機が世界の実体経済に影響を与える中で「適切と判断される場合にお ける金融政策による支援の重要性を認識」と金融政策に期待感を示す一方で、「財政の持続可能性の維持に資する政策枠組みを確保しつつ、状況に応じ、即効的 な内需刺激の財政施策を活用」とさらなる財政政策の必要性に踏み込んだ。

 財政措置についてカナダのハーパー首相は会議終了後、「金融政策 だけで世界経済は危機から脱却できないとの見解で一致した。追加的な財政措置が必要になるだろう」との認識を示し、同国は財政黒字にあるが「世界経済の需 要拡大のためにわれわれができることは何でもする。追加の(財政)措置を検討している」ことを明らかにした。

 ブラウン英首相も景気刺激に向けた財政政策で協調することが各国の内需を支援するとし、「今後数週間に多くの国がこの路線にのっとり行動する」と指摘。

 オバマ政権への移行期間にあたる米国では、ブッシュ大統領から追加の景気刺激策に言及がなかったものの、ブラウン英首相は「財政政策の協調には、オバマ次期政権下の議会で審議される提案も含まれていると信じている」と期待感を表明した。

  一方、日本の麻生太郎首相は会見で、通貨体制問題の根底には貿易の不均衡があるとした上で、会議では基軸通貨国には赤字体質の改善を求めるとともに、外需 依存の国には内需拡大に努めることを求める議論があったと語った。日本は金融危機の直接的な影響は軽微で、経済構造は外需依存型だが、財政事情は先進国の 中で最も厳しい状況に置かれている。国費5兆円程度の追加経済対策に伴う第2次補正予算案の国会提出時期も決まっていない段階にあり、麻生首相に同行した 中川昭一財務相兼金融担当相は、追加財政措置について「財政出動をしようと思えばできるが、自ずと規律というものがある」と述べるにとどめた。

 <金融市場改革に向け「行動計画」、早期に会計基準見直しや主要行監督を強化>

  サミットでは現下の金融危機の克服と再発防止に向けた監督や規制の枠組みの強化で合意。金融市場改革について、1)透明性および説明責任の強化、2)健全 な規制の拡大、3)金融市場における公正性の促進、4)国際連携の強化、5)国際金融機関の改革──の5つの共通原則を確認した。これらの原則を「完全か つ精力的」に実行するため、各国財務相の責任に基づいて追加的な提言の策定を要請した行動計画もとりまとめた。

 具体的には、2009年3 月31日までに早急な対応が必要な措置として、複雑で流動性のない商品について国際会計基準の見直しと調整を求めるほか、信用格付会社の規範の採用とその 順守を監視するメカニズムの採用の検討など格付会社に対する強力な監督、国境を越えて活動する主要な金融機関すべてに対する監督、金融安定化フォーラム (FSF)加盟国の新興市場国への拡大や国際通貨基金(IMF)など国際金融機関の機能強化などを挙げた。

 こうした改革への取り組みについてブラウン英首相は「新たなブレトンウッズ体制への道」と表現し、「首脳宣言を見れば、われわれが将来に向けた新たな体制を構築しようとしていることは明確だ」と説明した。

 <各国首脳が成果を強調、市場は「総花的」の見方も>

 こうしたサミットの結果について、ブッシュ米大統領が「非常に生産的だった」と語ったように、各国首脳は異口同音に成果を強調した。

  特に、外貨準備を活用したIMFへの最大1000億ドルの資金融通など、国際機関の機能や資金基盤の強化などを会議に先立って表明していた麻生首相は 「(今回のサミットが)歴史的なものと後世、評価される」と指摘。1997─98年に金融危機に直面し、克服した日本への期待の大きさと役割の大きさを感 じたと語り、「日本の経験を示し、新しい枠組みを主導し、具体的な提言も行った。宣言にも反映された」と議論を主導できたと評価した。

 麻生首相は2009年4月末までに開催する予定の第2回会合の日本開催に意欲を示しているが、フランスのサルコジ大統領は会議終了後にロンドンで開催される可能性があると発言。次回会合に向けた各国の政治的な思惑も見え隠れするものとなった。

  市場からは、今回のサミットについて「新興国、途上国に対する支援や全体的な政治的理解、国際通貨基金(IMF)へのコミットメントなど、議論の方向性と してはよいもので、株安を防ぐ内容というイメージ」(野村証券・シニアストラテジストの冨永敦生氏)と一定の評価が聞かれるものの、「即効力のある政策は 出なかった。市場の事前期待が小さかったため特段の失望感はないが、サミットはポジティブサプライズも作れなかったといえる」(バンク・オブ・アメリカ・ 日本チーフエコノミスト兼ストラテジストの藤井知子氏)と即効性に疑問を呈する声も多い。

 JPモルガン・チェース銀行・チーフFXストラ テジストの佐々木融氏は「サミットでうたわれた透明性および説明責任の強化や健全な規制の拡大、公正性の促進などは、先行きに向けた理想論。サミット宣言 は総花的だ」とし、「現在の問題は『今をどうするか』だ。その観点から言えば、サミットは何もなかったに等しい」と厳しい評価を示している。

関連ニュース



結果、何が決まったんだろう?

【社説】韓国経済を悲観する海外メディア

 英国の経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は14日付で、「沈 没する感覚」という見出しの特集記事を掲載したが、そこで主に扱われたのはほかでもない、韓国だった。記事では「韓国の消費者と企業は行き過ぎた負債を抱 えており、米国と同じような状況にある」「韓国の問題は恐ろしいほど米国とよく似ている」などと指摘されていた。さらに「韓国の銀行は米国や英国の銀行の ように世界的な信用不安で身動きが取れない状況にあり、来年6月末までに満期が到来する短期外債だけでも1750億ドル(約17兆5400億円)に達す る。そのため政策立案者たちは夜中まで対策に追われている」「国民は政府の政策能力に信頼を置いておらず、それが原因で状況はさらに深刻化しつつある」な どと報じた。この記事を読んだ多くの読者は、おそらく韓国に再び通貨危機が近づいているかのような印象を受けるだろう。

 同紙の記事には確かに韓国政府が耳を傾けるべき内容もある。しかしその 一方で行き過ぎた誇張、さらには事実とまったく異なる部分なども見受けられることから、世界に向けていち早く反論を発信すべき部分もある。「韓国は世界第 6位の外貨準備を持つ国だ。しかし短期外債の負担や、ここ2カ月で政府がウォン安を食い止めるために400億ドル(約4兆円)も放出したことなどが今後も 繰り返されると、莫大(ばくだい)な外貨準備も一気に枯渇する可能性がある」という指摘には耳を傾けるべきだろう。しかしこの記事では韓国の銀行が行って いる融資について、実際は預金額の103%であるところを124%と誤って報じた。さらに韓国企業の負債比率についても、1997年には423%だったの が現在は93%にまで下がっている事実にも言及していない。このように非常に偏った側面はこれ以外にも複数見受けられる。例えば造船メーカーが製造代金と して発注元から受け取るドルを銀行にあらかじめ売りに出す先物取引は、帳簿上では短期外債となるが、実際は償還する必要はない。またその額もおよそ700 億ドル(約7兆円)に達するが、これについてもまったく言及されていない。

 この記事は結論として「多くの専門家は韓国と韓国の銀行について、アイスランド式の崩壊は避けられるだけの堅実さは確保していると確信している」 としているが、その結論を裏付ける根拠や資料はほとんど提示していない。一方で不安の根拠については誤ったものまで細かく提示した。同紙が取り扱った今回 の世界的金融危機に対する分析記事の中で、国が不渡りを出したアイスランド以外に実際に国名が取り上げられたのは韓国だけだったという事実を見過ごしては ならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


見方としては面白いと思った。

2国間スワップ取り決めの規模拡大検討=日中韓共同声明

経済用語ってさっぱり分からんから、記事読んでも半分くらい意味が分からんかもしんない....。
トムソンロイター 2008年11月15日(土)15:30

 [ワシントン 14日 ロイター] 日本、中国、韓国の3カ国の財務相は14日に開いた会合後に、日中韓の2国間スワップ取り決めの規模拡大検討などを盛り込んだ共同声明を発表した。

 声明では「堅固な経済ファンダメンタルズや 健全な金融セクターを享受してきたアジア経済は、経済成長の減速や金融市場の変動といった課題に直面している」と指摘。「3カ国が地域の経済・金融の安定 の維持に極めて重要な役割を果たすべきであり、これはアジア地域のみならず世界経済全体にも貢献する」との認識で一致した。

さらに「日中韓の金融協力の強化が必要」として、「日中韓の2国間スワップ取り決めの規模の拡大について検討する」ことでも合意した。

 11月26日に東京で開催予定のマクロ経済・金融安定化ワークショップに関しては「日中韓の財務省・中央銀行・金融監督当局間で意見交換を行う絶好の機会」として、その重要性を再確認するとともに、ワークショップの役割をさらに強化する方策について検討する考えを示した。

 声明では、地域協力を一層強化していくことの重要性も強調。チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)を最優先の課題とし、そのプロセスを加速するためASEANプラス3のメンバーと共に取り組んでいくとの決意を表明。「CMIMの全ての要素についてコンセンサスが得られるよう努力していく」ことで合意した。 

  また、国際金融機関や金融安定化フォーラムについて「変わり行く世界経済の状況や将来の課題により的確に対応できるよう改革していくことが必要」との認識 も共有。アジア開発銀行(ADB)が、アジアにおいてその役割を果たすための適切な資本基盤を有するために、第5次増資に関して早期の合意を求めた。

関連ニュース


あぁ、こっちのが分かり易いかな。

日中韓の財務相会談 ウォン安の韓国支援で一致

朝日新聞2008年11月15日(土)13:50

 【ワシントン=松村愛】中川財務相は14日夜(日本時間15日昼)、当地で中国、韓国両国の財務相と会談し、「世界的な金融危機に効果的に対応するため、3カ国の金融協力の強化が必要」との声明を発表した。

  声明では、通貨暴落に備えて日中韓が結んでいる通貨交換協定の規模拡大で合意。通貨ウォンの下落が続く韓国に対し、外貨準備が潤沢な日中両国が支援するこ とを念頭に置いたものだ。さらに東南アジア諸国連合(ASEAN)を加えた13カ国で通貨交換協定を一本化する作業を急ぐとした。

 3国は、財務省、中央銀行、金融監督当局の次官級で構成し、域内の金融について情報を交換する「マクロ経済・金融安定化ワークショップ」を発足させるこ とを改めて確認。その初会合を26日に東京で開くことも決めた。途上国向け融資をするアジア開発銀行(ADB)の増資についても、早期に結論を得るとし た。

関連ニュース



分かり易いって言うより、話題がちょっと違うのか。
スワップが何だか分からんと、意味がさっぱり掴めないね。

韓国経済の危険性。そして、IMFが果たすべき役割とは?(コラム大前研一)


米国の大手証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)を受けて、16日、アジア各国の株式市場は大幅に下落。上海株式市場は代表的指数の上海総合株価指数が2000を割り込んだ。

一方、インド・ムンバイ証券取引所の主要30社株価指数(SENSEX)は、18日、前日比0.4%高の1万3315.60で取引を終えた。

2008年世界の主要株価指数の推移を見ると、この世界金融危機の震源地である米国以上に日本、ドイツ、さらには好調を維持していた英国の株式市場が下落しているのが分かる。

アジアの株式市場も軒並み落ちている。中国・上海株式市場を筆頭に、シンガポール、香港、そしてボンベイも同様だ。

株式市場を見ていると韓国経済はそれほど落ち込んでいないように見えるが、実はかなり深刻な状況に直面しつつあると私は見ている。

1つには米ドルに対する「ウォン安」という形が現れ始めていることだ。97年のIMFによる介入以来、落ち着いていた韓国ウォンが4年ぶりの低水準を記録している。

またもう1つには、韓国経済は深刻な構造的問題を抱えているということだ。パス・スルー経済に頼った韓国経済は、表面的には大きく成長しているように見えても、実態経済は育っていないという問題を抱えている。

もし李明博(イ・ミョンバク)大統領が、この課題を解決するべく、韓国経済に根を張るような「裾の産業」が育つ体制を創り出せれば、偉大な大統領として名を残せるだろうと期待していたが、難しい状況になってしまった。

米国産牛肉輸入問題をめぐって、李明博大統領は完全に当事者能力を失ってしまったからだ。

韓国の大統領は任期5年で、自ら辞意を表明しない限り、罷免されることも稀だ。なぜ韓国の国民が李明博大統領の立場をあそこまで追い詰めてしまうのか不思議に感じる。

このあたりの国民感情は分かりかねる部分はあるが、いずれにせよ、韓国経済の実態が悪く、ウォン安という危機が迫りつつあるということは事実だ。

世界の株価指数が下落する一方で、比較的堅調な動向を見せているインド経済について、9月22日号のニューズウィーク誌では警鐘を鳴らす記事が掲載されていた。

表紙には「INDIA ISN'T SHINING(インドは輝いていない)」というタイトルと共に、いくぶん暗い表情をしたインドのシン首相が大きく写っている。

確かに今の状況を見ると、インド経済の悪いクセが出ていると私も思う。それは、経済の調子が良くなると、一方では社会主義的な考え方が頭角を現してしまうというものだ。

他国に比べてインドは貧しい人の割合も数も圧倒的に多いという特徴がある。

それゆえ、資本主義的な考え方で経済が運営されていくと、豊かになる人が増えても、その足を引っ張るような人がそれ以上に大勢出てくるという構図だ。

今、インドのシン首相はそうした事態に様々な妥協をしたことで、結果として、インド経済を挫折させたという指摘を受けているというわけだ。

このようにニューズウィーク誌はインドに対してネガティブな見解を示しているが、私はインド経済について心配をしていない。

それよりも、この世界金融危機が波及して、韓国の経済危機などが訪れたとき、IMFがきちんと機能できるのか不安に感じる。

為替相場の安定等の国際金融秩序を維持することが、IMF本来の役割のはずだ。だが、今回の金融危機に対してIMFが世界経済の修正をするべく機能しているとはとても思えない。

さらに、ゴールドマン・サックス出身の米ポールソン財務長官は、あまりIMFという組織が好きではないように私は思う。

そういう意味でも、万一の際、IMFが本来の役割を果たせるのかどうか疑念が強くなる。

今は世界の経済が落ち込んでいる局面だ。以前から指摘していたように実態を伴わない韓国経済の脆弱さには特に気をつけるべきだと思う。

そして、万一の韓国危機に備えて、IMFという組織の本来の目的を改めて見直してもらいたいところだ。



うーん、IMF絡むと、更に分からんかも....。