金曜日, 12月 05, 2008

首相と民主、定額給付金で攻防 衆院予算委集中審議


共同通信 2008年12月5日(金)22:51
 麻生太郎首相と民主党菅直人代表代行らが5日午後の衆院予算委員会集中審議で、総額2兆円の定額給付金をめぐり激しい攻防を繰り広げた。民主党は「天下の愚策」として雇用、医療対策への組み替えを求めるなど、さまざまな角度から「ばらまき」を攻撃。首相は「消費を促進する経済効果もある」と景気浮揚の効果も強調して乗り切りを図ったが、基礎年金国庫負担引き上げ時期に関し発言がぶれるなど不安定感も否めなかった。

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漢字が読めないだの、空気が読めないだのって、実害あるにせよ、とりあえず些細な話は置いておいてもイイんだけど、この「無責任さ」だけは捨て置けない。 民主党が政権取るとか取らないとかって話も置いといて、とにかく、コイツだけは、テッペンに置いとくのは問題だ! 内紛でも何でも構わんから、早く下ろそうって気運高まらんもんかな?
それにしても、ちっとも攻めたように見えない民主党って一体....!?

この国はどこへ行こうとしているのか

毎日新聞2008年12月5日(金)18:00

 ◇「恕(ゆるす・思いやる)」の字書きたい--清水寺貫主・森清範さん(68)

 盛りは過ぎたとはいえ、まだまだ美しく色づいた紅 葉に迎えられ、京都は清水寺への参道を歩く。インタビューにうかがう貫主(かんす)の森清範さん(68)は1年前の暮れ、奥の院の舞台で、あの漢字一文字 を揮毫(きごう)した。「偽」。でも、あれから1年たって、よりふさわしい文字が浮かばない。
 「そうですねん」。貫主というから威厳ある おっかない坊さんかと思っていたら違った。「あの<偽>にはヒフンコウガイしました。漢字、大丈夫ですやろな、記者さん! ハハハ」。冗談大好き、おもろ いおっさんで安心した(漢字、どう書くんだったかなあ)。いまや師走の風物詩ともいえる「今年の漢字」、阪神大震災のあった95年から日本漢字能力検定協 会が主催し、この12日に発表される。
 「いやー、もはや日本だけのニュースやなくなってますよ。インターネットとかで世界に飛んでいる。 お寺に海外の要人が来られては、日本を表すのは<偽>ですか、となんべん言われたことか。ああ、恥ずかしい。恥ずかしい。そやけど、漢字が中国でできて以 来、なんと50いくつもの<いつわり>を意味する字があるそうです。お釈迦(しゃか)さまもこの偽りの心こそが人間そのものと言っておられます」
  穏やかに茶をすすっていた顔が険しくなった。「タガがなくなってしもうたんですわ」。タガ? 「人間が偽りの心をむき出しにしてどうするんです。戦後、ア メリカから民主主義がきた。それはよかった。でも、個のみを主張する個人主義の風潮がまん延してしもうてね。米国にはちゃんと信仰がある。神さんが見ては るんです。神さんと人間の契約なんですよ。そこに歯止めがある。日本は宗教心を消し去ろうとした。神さんも仏さんも見てない、そやから何をしてもいい、 と」
 「網」にたとえた。魚や虫をとる、あの網である。「仏教ではよく使います。網を見てください。必ず上下左右の糸を共有しているで しょ。そのつながりが網を構成しています。ひとつの糸だけでは網にならない。利己やなしに利他の心がないと、うまくいきませんわなあ」。そっと目をつむ り、そして利己といえば……と思い出したように語りだした。われらが首相、麻生太郎さんのことだった。
 「人間、自己愛はしようがありません。だからお互い仲ようするんです。助け合うんです。相互扶助。それを総理たる人がなんですか、たらたら食べて、飲んで何もしない人の分の金を何で私が払 うんだ、なんて。ようそんなアホなことが言えましたな。名古屋の演説でもそうでした。岡崎だったらいいけど、名古屋で同じことが起きたら洪水だよって。根 は一緒です」
 ほとほとあきれはてた声で、ある短歌をそらんじた。

 わが胸の
  燃ゆる思いに
   くらぶれば
    煙は薄し桜島山

 「幕末、筑前は福岡藩の勤皇の士、平野国臣が詠んだ歌ですよ。こんな境地になれる政治家に出て来てほしいですわ。国を憂え、人をいかに幸せにするか、その情熱がどれほど激しかったか。桜島の噴煙すら、あんなのたばこの煙だみたいな感じですから」
 ■
  先の見えぬトンネルの中であえぐ国民にカネをばらまけばいいなど、およそ政治ではない。永田町がいかに能天気か。なら、誰を頼ればいいのか? エピソード を紹介してくれた。ある日、米国の元副大統領、モンデールさんが訪ねてきたとき。「清水の舞台から飛び降りるとは、グランドキャニオンから飛び降りるって ことですね、とおっしゃったんです。誤解されてるんですな。あの言葉は観音さまに一切をおまかせする、観音さまと一緒に歩む気持ちになる、そうすれば見 守ってくださる、心の安らぎが得られる、という意味でしてね」
 平安の昔から庶民の信仰を集めた観音さま、インテリだった紫式部も清少納言 もお参りしている。どこかに安らぎがなければ、不条理なこの世を生き抜くのは難しい。ある意味で知恵である。「信仰心だけやない。日本には日本のやり方が ある。そろそろそれを掘り起こし、生活に取り戻していく。必要ですよ。もともと勤勉でしょ。近江商人の三方よしの精神もそう。売り手よし、買い手よし、世 間よし。それを忘れ、むちゃくちゃになった。偽物だらけ」
 もっと、もっと無駄を、とも繰り返した。ノーベル賞ラッシュの話題になったとき である。「やっぱり、ほんまもんの力をつけるには余分なことやらんと。小僧も寺に入ったらすぐお経教えてもらえるかというと、そうでない。朝は掃除、ご飯 炊き、そして後片付け、そんなのをずーっとやってきて、お前、そこへ座れ、それからお経です。子守やお使いもするなあ。それがプラスになるんですわ」。効 率ばかり追い求めるな、としきりに戒めるのだった。
 ■
 さて、大きく地球に目を転ずれば、戦火は絶えない。テロのニュース が続く。「ユネスコ(国連教育科学文化機関)憲章の前文、ご存じですか? こうあります。<戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和 のとりでを築かなければならない>。これ、まるでお経やないかと思いました。戦争は自然発火するんやない。誰かが火をつけるんです。平和も勝手に生まれな い。不断の努力がいる。日本、してますか?」
 またこんなエピソードを紹介してくれた。EU(欧州連合)の代表団が寺にやってきて、抹茶を たてた。使ったのは霊験あらたかな音羽の滝の水。「所願成就、もろもろの望みがかないます、とお出ししたら、ドイツの方が言うんです。ここにいるみんなの 思いは違う。通貨、経済、文化……。その妥協点を見いだそうとしている。なのにこの水を飲めば解決する、いったい、どういうわけか、と。参りましたね。考 えました。霊水を一口飲めば、みなさんの心は観音さまになる。そうすればヨーロッパはむろん世界が観音さまの浄土になります、と」
 ところで、今年の漢字、どんな字になると? 「あれはね、当日の朝、封筒にのり付けして渡されるんです。けいこする時間はありません。ぶっつけ本番。そうですな あ、2年連続で<偽>かなあ。いや、ひょっとすると」。そうつぶやき、指で字を書いた。それ「失」ですか? 「失言の失、信用を失うの失や。どうなるかわ からんけど。練習しとかなあかんかな」。いつか書きたい字はありますか?
 「ああ、よう聞いてくれはった。<恕(じょ)>。書いてみたいで すなあ。忠恕という言葉もありますが、心の底から思いやる、相手の気持ちになるという意味です。これ、人倫の基本だと孔子さんが言ってますよ。発心即到と いう言葉もあって、思いついたら、すでに到(いた)っている。できなくてもいい、そうしようと前向きの気持ちでいきましょうよ」
 麻生さん、たとえ漢字が苦手でも、貫主の揮毫を見て、この国のいまをしかと認識してほしい。とてつもない日本と楽観していられるかどうか。「顔に墨でペケでも書きますか、ハハハ」【鈴木琢磨】

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 ■人物略歴
 ◇もり・せいはん
  1940年、京都市生まれ。55年、清水寺貫主、大西良慶和上のもとで得度。花園大文学部卒業後、円福寺専門道場で雲水修行。泰産寺住職などを経て、88 年、清水寺貫主・北法相宗管長に就任。全国清水寺ネットワーク会議代表。著書に「一文字説法 観音のこころ」「心を活かす」「心に花を咲かそう」など。
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今のご時勢、「恕」の字は出てこないよなぁ。
つくりが少し違う字なら、毎日顔出すけど....。

「ぶら下がり」答えない方がいい…首相イライラ?
読売新聞2008年12月5日(金)22:30
 「これから、ああいうのはなるべく答えないようにした方がいい」
 麻生首相は5日の衆院予算委員会で、記者団の質問に立ったままで答える「ぶら下がり取材」に対し、強い不満を示した。
 民主党の原口一博氏が、日本郵政グループの株式売却凍結に言及した11月19日の首相発言の真意をただしたのに対し、首相は「株価が安い時に売る やつがいるかと(記者に)言っただけなのに、永久に売らないみたいな話に(なった)」と強調。「とにかく、よう(話が)作り替えられる」「ゼロからずーっ と説明するのは、正直、ぶら下がりなんかの時はとても出来ない」とも語った。
 首相は委員会終了後、首相官邸でのぶら下がり取材にはいつも通り応じた。国会でのメディア批判は、相次ぐ発言のぶれが報道され、内閣支持率が低迷していることへのいら立ちの表れと見られる。


「マンガばっか読んでる訳じゃない」首相、故事うんちく
朝日新聞2008年12月5日(金)21:49
 「おまえ、マンガばっか読んでんじゃねえか、なんて言われても困りますんで」。麻生首相は5日の衆院予算委員会で、小泉元首相が所信表明演説で引 用した長岡藩の「米百俵」の故事が話題にのぼると、「佐久間象山の弟子に『二虎』と言われた一人が吉田寅(とら)次郎、後の松陰。もう一人が(長岡藩の) 小林虎三郎。その話ですね」とうんちくを傾けた。
 ただ、別の場面では、事実関係に誤りも。首相は日経平均株価の史上最高値を「89年12月28日の3万9980円」と述べたが、実際は12月29日の3万8915円。首相はしばしば経済や金融にまつわる数字をそらんじてみせるが、うろ覚えもあるようだ。

そもそも「軽い」発言繰り返す総理がしょーもな過ぎるんだろうね。
コイツの言うこと、ぶら下がってまで取材する価値なんざないって、バッサリ切り捨ててやりゃイイのに、マスコミってのは、仕事と割り切りが過ぎるんでないかい?
KYの定義について、こんな話を何かのTVで見た。
麻生ってのはKYの塊だって話
 - 空気    読めない
 - 漢字    読めない
 - 国民感情 読めない
 - 経済    読めない
 - 解散    やれない

衆院予算委】「消えた年金」「消された年金」の被害者救済問題を追及


 山井和則衆院議員は金融・経済、年金・医療に関する集中審議が行われた衆院予算委員会で5日午後、質問に立ち、麻生首相および舛添厚生労働大臣にその認識を質した。

 山井議員は、「消えた年金」、「消された年金」の被害者救済について、記録訂正から年金支払いまでに時間がかかること問題視。舛添厚労相は、「年金支払 いまでの全体的な平均として、7カ月程度要する、複雑な事例については10カ月~1年以上のケースもある」として、迅速に対応できるよう努めると答えた。

 山井議員は、今年9月の時点で年金の再裁定に関する累積未処理数が62万件にも及んでおり、1カ月の平均処理数の2万5千件で処理しきれない実態を指摘、「平均寿命まであと3年、生きているうちに年金を払ってほしい」という76歳の男性の痛切な訴えも併せて紹介した。

 これに対し、麻生首相は「当然の感情であり当たり前の話」として、基本的には年金記録が判明したならすぐ支払うのが常識との見解を示した。舛添厚労相は、今後さらにスタッフを増員すると述べ、未払い年金の迅速化に向けて努力する姿勢を重ねて強調した。

 山井議員は次に、今年5月に記録訂正により年金受給権を得ることが判明したにもかからず社会保険庁が放置、未払い年金総額(60歳からの概算)が 1300万円以上でありながら、支払ったのが11月中旬、亡くなったのが11月の初旬であった93歳の女性の例を取り上げ、「今の政府は年金、老後の生活 どう考えているのか」と、国民を軽視する姿勢を厳しく非難した。

 また、本人が亡くなったため死亡届を出しに事務所を訪れた際に400万円以上の年金の未払いが発覚した例も紹介。「400万円あれば老後の暮らしはかな り違ったはず」と述べ、ねんきん特別便の送付のみならず、民主党が主張する紙台帳とコンピューターの照合を早急に行うよう強く要求した。

 続いて、山井議員は後期高齢者医療制度を取り上げ、75歳以上の高齢者に対して資格証明書の発行するその制度の見直しを主張。75歳以上の高齢者に対し ては、病気にかかる率も高いことから全額負担で、医者にかかることを抑制せざるを得なくなって亡くなる方も出てくる危険性を指摘、さまざまな事情により保 険料を滞納した場合にも自己負担にならないようするべきだとした。麻生首相は、年齢の線引き、年金からの天引き等に関しては納得が得られるよう制度の見直 しを検討している段階だと説明した。

 最後に、山井議員は戦後の日本社会を築いてきた高齢者の方々に対し、「生きている間に年金全額を支払い、保険証は取り上げず国民皆保険として医療にかかってもらえる原則をつくっていくべきである」と求め質問を終えた。

衆院予算委】経済、年金、郵政で首相の見解質す


 原口一博議員は5日午後、衆議院予算委員会で経済、年金、郵政事業などについて質問した。

 冒頭、90年代の金融危機と言われた時期に学んだことが、本当に正しかったのかの反省があるとして債権譲渡の問題に言及。日本の屋台骨を支える中小企業 が、自らの合意や同意無しに金融機関から債権を譲渡された業者から、債権を取り立てると言われて「生きたまま裸に」されている状況があることを問題視し た。

 その上で、金融不安の質が変わっている時にやるべきことは、単なる公的資金の注入ではないと指摘。日銀の山口副総裁に2日の政策決定会合の決定内容につ いて質問し、景況感の悪化を示す日銀短観DIも引いて、天下りした人がトップをつとめる金融機関に資本注入をして責任は問わないままにして、中小企業にお 金が回るかを議論する必要があると強調。

 「元本確定する」「経営陣を入れる」などと言われれば、日本の中小企業は本業どころではないと主張、債務者を単なる取り立て対象とするような金融行政を やめるよう強く訴えた。優越的な地位で債権が売り渡されている現実を変えるには法改正が必要だとして、サービサー法の改正も含めて『次の内閣』で議論して いる民主党の状況を報告。首相は、金融機関が債権譲渡を行うにあたり債務者の納得と理解を得るための説明に努めることは重要な指摘だとした。

 郵政関係については、郵政グループの株式の売却をめぐる首相の発言や郵政グループの業績、JR貨物梅田駅で郵便物が2カ月放置された問題などを取り上げ た。原口議員は、民主党や国民新党が株式の凍結や事業の一体的な提供を求める理由について「分社化ありきの民営化では、ビジネスモデルとして成り立たな い。持続可能性があるとは思えない」と説明、中期計画を示すよう求めた。

 日本郵政の西川社長は「こういう事故が発生したことは誠に遺憾」として、事故原因を分析し早急に再発防止策を検討する旨答弁した。中期計画については、 本来は中間期の決算発表時の発表を予定していたが金融情勢の急変に伴う実体経済の急激な悪化で見直しを要する点がたくさん出てきたため、もうしばらく検討 を進めたいと語った。原口議員は「国民に対する説明責任も、民営化で後ろに下がった」と指摘、分社化ありきの民営化は見直しの時期にあるとした。

 原口議員はこのほか、年金問題に関してサンプル調査の実施による全体像の把握を求め、鉄道・運輸機構が発表した「株式会社麻生」が販売した九州新幹線などの橋げた部品の施工箇所の点検調査について質問した。

衆院予算委】定額給付金は歴史に残る愚策 国民の声を紹介


 笹木隆三議員は5日の衆議院予算委員会で、定額給付金について麻生首相はじめ関係大臣と議論した。

 笹木議員は、定額給付金が不人気である状況について、責任者の発言が二転三転し、司令塔が存在していないことが一因だという認識を示し、定額減税でなく 定額給付金とした説明を求めた。麻生首相は「ずっと同じことを申し上げている」として発言のぶれはないという見解を述べ、所得制限を設けないことについて 鳩山総務大臣は「シンプルな形が最も望ましい」とした。

 笹木議員は、所得基準による制限を希望する市町村は住民に対し受給の辞退を呼びかけることができるという制度設計について、面倒なことは地方に押し付け る結果になっていると批判。また、給付金は総理大臣のポケットマネーではなく税金であるとして「消費税と抱き合わせの給付金はいらない。どうせ税金だろ う、むだづかいだろうというのが国民の反応だ」と主張。

 さらに、地方の経営者からは、第2次補正予算案も出さずにバラマキだけをやるのでは殺すつもりかという声、自治体の首長からは、自治体の自由に使えるお 金にしてほしい、それぞれの人口に応じて自治体に配り、任せてくれという声が出ていると指摘。定額給付金は「歴史に残る愚策、天下の愚策」であるとして、 細かい詰めを考えないで表明したのであれば、地方が将来に向けて夢のあることを行えるようなやり方に改めるべきだとした。

 これに対し麻生首相は、定額給付金は今年度限りの緊急の対策であり、地方に対しては別に色々な対策をする考えを示した上、「基本として、大混乱が起きる、天下の愚策、ということにならないよう努力する」と答弁した。

 笹木議員は続いて、所得階級別世帯数の推移や国民健康保険加入者における所得階級別世帯数分布の図を示し、格差について首相らと議論した。民主党が社民 党、国民新党と共同提出した国保無保険児童救済法案への対応を問われた舛添厚生労働大臣は、法案の中身を精査して与野党の議論を見た上で判断すると答え た。

 笹木議員は年金問題に関し、厚生年金標準報酬月額の改ざんをした疑いのある記録を政府が優先調査対象としていることを取り上げた。この調査を決めたとき に認められていた改ざんは1例だったが、今は140件以上の関与が明らかになったと説明。「調査方法を変えるべき」と主張した。また、ハローワークに失業 給付の時期を出してもらい、社会保険事務所の全喪年月日とのずれを調べるには実務的な困難はないと指摘して質したが、舛添厚労相は様々な提案を真摯に検討 すると述べるのみだった。

衆院予算委】物から人へ、内需拡大の政策転換を


 仙谷由人議員は、5日午後衆院予算委員会で菅代表代行に続いて質問に立ち、自民党では20年前から言われた内需拡大型への経済構造転換、物から人、家計を重視する方向への政策転換はできないとして、政権交代を求めた。

 仙谷議員は冒頭、麻生首相の「全治3年」との日本経済の病状について、どう考えるのかを質した。首相は病状については答えず、「3年で脱皮せねばならないという決意」と答えだけだった。

 さらに、アメリカの病気についても仙谷議員は質したが、これにも首相は、「金融技術の進歩に比して管理できなかったこと」と対処療法的答弁しかできなかった。

 仙谷議員は、アメリカは過剰消費、財政赤字、貿易赤字であり、日本は、外需依存、財政赤字であるとの診断を示したうえで、「20年前の前川レポート以 来、内需拡大に改まらなかったのは政治の問題ではないか」と質問。さらに、内需拡大の方向が間違っていたこと、「自民党が政策転換できないのなら政権交代 しかない」として、経済のソフト化、サービス化、知識経済化に予算を使うべきで、道路、ダム、橋に使うべきではないとした。

 首相は、「公共工事に偏り過ぎたのは反省」と答えた。

 さらに、仙谷議員は、この10年間に世帯所得の中央値が100万円減っていること、中間層に楔(くさび)を打ち込み、低所得者層をつくったこと、家計から利子所得を奪ったことを挙げ、自民党政治を糾弾した。

 定額給付金ついて、長岡藩の米100俵の話を引き、政治と政策の放棄であると糾弾、白紙撤回を要求した。首相は「即効性がある」として拒否した。

 また、緊急を要する政策として医療、特に周産期医療を挙げ、定額給付金の2兆円あれば5年間賄えるとも提案し、税の有効活用を改めて提案した。また、医療を金食い虫ではなく、きちんとサービス産業として位置づけるべきと主張した。

 さらに、地方自治体の首長に人口分の定額給付金をまとめて渡し、それぞれが独自に使うのが良いのではないか、本音では各首長もそう思っている指摘した。そのうえで、定額給付金は「財政規律からも行政規律からも止めるべき」と主張した。

衆院予算委】麻生内閣は政策実現の妨害になっている


 菅直人代表代行は、5日午後衆院予算委員会の集中審議で質問に立ち、麻生内閣は雇用確保など緊急を要する政策実現の妨害となっているとして、退陣を要求した。

 菅代表代行は、解散して国民の信を問うこともなく、第2次補正予算案の提出も先送りする麻生内閣への支持率が急落していることをまず指摘。そのうえで、 トヨタ、キヤノンのなど大企業で期間労働者、派遣労働者切りが進んでいる現況を深刻に捉えるならば、直ちに、生活対策として10月30日に発表したものの うち、雇用に関するものだ
けでも第2次補正予算案として提出すべきだと主張した。

 これに対して麻生首相は、「1次補正予算で順調に推移している。2次、本予算と上げていくのが景気対策」として、第2次補正予算案を今国会に提出しない方針を改めて述べ、年末は乗り越えられるとの甘い認識を示した。

 菅代表代行は、「大量解雇、大量失業が始まっているではないか。雇用対策関連の法案を1本も出さない。これは、政治空白ではなく、妨害、サボタージュだ。政策実現の妨害している」と詰問した。

 首相は、「何もしていないことはない」としただけで、具体的な政策には触れなかった。

 菅代表代行は、民主党がまとめた派遣労働者の途中解約は許さない、雇用と住宅の両面から支援などの政策を説明。そのうえで、かつて景気が悪くなったとき に高齢者に割増しの退職金を払い人件費抑制したこともあり、また、失業対策事業もあったことを指摘し、「介護、リサイクル、産業廃棄物の処理など、ある意 味での新しい失業対策事業、仕事そのものを提供してはどうか」と提案した。

 舛添厚生労働大臣は、「大筋、賛成」と答えた。

 さらに、菅代表代行は、3分の1から2分の1への基礎年金の国庫負担率の引き上げに関して、首相の発言がぶれていることを取り上げ、来年4月1日から実施するのかを質した。

 首相は、同じことを言っている、ぶれはないとして、マスコミ報道が問題だとして責任を転嫁し、明言を避けた。中川財務大臣も「年末までに方向を決めたい」とするに留まった。