火曜日, 12月 09, 2008

前空幕長更迭「本望ではないか」と会見のアパ代表


読売新聞 2008年12月8日(月)22:58
  田母神 ( たもがみ ) 俊雄・前航空幕僚長(60)(先月定年退職)が昭和戦争などに関して政府見解に反する論文を投稿し、更迭された問題で、懸賞論文を募集したホテル・マンション経営「アパグループ」の元谷外志雄代表(65)が8日、東京都港区で記者会見を開いた。
 一連の問題が起きてからアパ側が会見を開いたのは初めて。
 会見は懸賞論文の授賞式に合わせて開かれた。元谷代表は、空自に対する論文投稿の働きかけはしていないと主張。
 前空幕長の論文が最優秀賞に選ばれた経緯についても、「審査委員全員が田母神氏の論文を評価した。私が主導したわけではない」と述べた。
 前空幕長の更迭については「職を ( ) して書いており、本望ではないか。自衛隊にとって大切なことをした」と語り、「いつか大きく評価される時がくる」と擁護したが、政府の対応への言及は避けた。
 記者会見に先立つ授賞式で、前空幕長は賞状は受け取ったものの、賞金300万円は辞退したという。会見には元谷代表と審査委員の一部が出席し、前空幕長は姿を見せなかった。

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論文の要旨なんか問題じゃないんだけど....。 この要職にある人間が、妙な思想を持ってることを、公言して憚らないことが問題なんだ。 ついでに庶民感情だけで言えば、これだけの波紋を齎した張本人が、のうのうと国から「我が血税たる」退職金を受け取ってることが、癪に障って仕方がないだけだ。 賞金辞退は決して美談たり得ないし、それでも自説を曲げない態度は、国民に対する冒涜以外の何ものでもない。

田母神問題で思う、世界で通用しない保守派の内弁慶
ダイヤモンド・オンライン 2008年12月9日(火)08:40
 自衛隊元空幕長・田母神氏の書いた文章が世の中を騒がせていたが、今回この文章について初めて書いてみたい。しかし、その主張の内容の是非、及び文民統制 の問題は取り上げない。それらは、既に様々な識者が論じ尽くしているからではあるが、それ以上に、そもそも論じる価値がないからだ。
 田母神氏の文章には、彼の主張の根拠・理由となる参考資料・文献が一切明示されていない。つまり、田母神氏の主張は単なる思い付きだということだ。少なくと も、学問の世界ではそう看做される。たとえ、田母神氏が長年に渡って歴史を深く学んでいたとしても、それが文章上に示されていなければ意味がない。田母神 氏が私のゼミの学生で、この文章をレポートとして提出してきたら、私の採点は「不可」である。この文章は、大学の「レポート」にすらならない、ただの「作 文」なのだ。
 私はこの連載など、参考資料・文献を明示しない評論として書いた文章を「論文」とは呼ばない。それは研究者としての最低限の矜持である。田母神氏の文章を「論文」と呼ぶのは、我々研究者に対して失礼である。

◇ 保守派の「歴史認識」は世界の非常識となっている現実

 しかし、「田母神作文」は論じる価値がないが、田母神氏の傲慢な態度は少々気になる。それは典型的な「声高な主張をする保守派」の態度だからだ。私は英国 に住んでいた頃、保守派の主張の是非はともかく、その態度に違和感があった。なぜなら、今回の作文のような「歴史認識問題」について、保守派の「声高な主 張」と、欧米での認識が全く異なっていたからだ。
 「従軍慰安婦問題」を具体例として挙げる。「従軍慰安婦の徴用に官憲による誘拐といった強制性はなかった」「従軍慰安婦のほとんどは日本人の売春婦で植民 地出身者は少数でなかった」「従軍慰安婦が性奴隷であると主張しているのは中国・韓国の学者だけで、強制性がなかったのは世界の学者の常識」。これが保守 派の主張である。
 ところが、私が読んだ海外メディアではこんな風に報道されていた。「歴史学者達は、1930年から40年代にかけて朝 鮮半島と中国出身者が大部分の約20万人の女性がアジア全域の日本軍の売春宿において奉仕させられたと指摘している。多くの女性達は、自分たちが日本の部 隊に誘拐されて性的奴隷になることを強制されたと証言している」(ワシントン・ポスト)「歴史学者たちは、大部分が朝鮮半島と中国出身の少なくとも20万 人の女性が第二次世界大戦中に日本軍の売春宿で強制的に奉仕をさせられたと考えている」(BBCウェブサイト)「歴史学者たちは、大多数の中国や朝鮮半島 からの20万人の女性が2000箇所の慰安所で強制的に働かされたことを信じている」(ガーディアン)。
 つまり、世界の学者は「従軍慰安婦は性奴隷」と結論付けているというのであり、これは、保守派の主張と真逆なのだ。

◇ 海外の批判から逃げる保守派の怠慢

 私が問題視しているのは、保守派の主張そのものではない。正しい部分もあるとは考えている。政治学の研究者として、自分の研究の範囲内で日本人や 日本社会の性質を考えてみても、軍に一部の暴走があったとしても、大規模で組織的な誘拐というのは考え難い部分があるからだ。しかし、深刻な問題となって いるのは、そのような保守派の主張の是非以前のところにあるのだ。
 私は、保守派が日本国内で「声高な主張」を繰り広げる一方で、彼らの主張を外国に対してぶつけてみるという努力を全くやってこなかったことが問題 であると考える。例えば、一昨年の米議会での従軍慰安婦問題に対する謝罪決議の際、提案者のマイケル・ホンダ議員に対して日本の国会議員は誰も会いにいか なかった。ホンダ議員本人はともかくとして、せめて決議案を出している民主党に接触すればいいのに、自民党幹部が会いに行ったのは元々仲のいい共和党議員 だった。また、平沼赳夫氏らがワシントン・ポストに従軍慰安婦問題に対する保守派の主張を伝える広告を出したが、むしろホンダ議員の地元に近いロサンゼル ス・タイムスに広告を出すべきだった。
 つまり、保守派はこれまで外国の雑誌や新聞に論文を掲載することや、外国の政治家やマスコミを説得するなど、日本の理解者を増やす努力を怠ってい たのだ。いや、それだけではなく、保守派は海外の批判から目を背けて逃げ回ってきたとさえ言える。そのツケが噴出しているのだ。
 その結果、「従軍慰安婦は性奴隷であるというのが歴史学者の結論であり、世界の常識」となっている。保守派に対して「日本には一部、ヒトラーを肯 定するような主張をする者がいる」などと批判する海外メディアもあるのである。それに対して、保守派が「従軍慰安婦は性奴隷ではないというのが世界の常 識」という、ありもしないことを日本国内向けだけに声高に語り続けてきたことに対して、私は英国在住時代から違和感を持ってきたのだ。

◇ 「国際派保守派」の養成に取り組め

 私は保守派に1つ提案がある。それは、「国際派保守派の養成」に早急に取り組むことである。要は、英語で海外に対して保守派の主張を発することが できる人材を育成しないといけないということだが、重要なことは、政治家やジャーナリストレベルではダメだということだ。「田母神作文」のようなものを、 政治家やジャーナリストが中途半端な知識で適当に書いてしまっても、海外では全く相手にされない。「またヒトラーを肯定するようなことを言う奴が出てき た」と言われて無視されるだけである。
 だから、歴史学者のレベルで国際派保守派を要請しないといけないのだ。きちんとした資料を分析して、それを英語で論文にして発表し、世界中の歴史学者と議論して保守派の立場を理解してくれる仲間を増やしていくことができる人材を養成する必要がある。
 仮に保守派の主張にも一理あるとしても、それを世界に理解してもらうには50年はかかると私は考えている。それが現実であり、日本国内にしか通用しないで「声高な主張」をしても、なんの意味もないことを保守派はそろそろ自覚すべきなのだ。


中味に意味がない論文が、これだけ世を騒がせている現実が、この男を糾弾して然るべきとの声を、象徴的に示しているんじゃないの....?
任命責任云々なんて話も、そろそろ馬鹿馬鹿しくなってきてる。 とっとと懲戒免職にしちまえば良かったんだ!

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