土曜日, 11月 29, 2008

首相、べらんめえ封印で得点稼ぎ

麻生首相「解散、当初思ったが…」 初の党首討論
朝日新聞2008年11月28日(金)22:21
 麻生首相と民主党の小沢代表による初の党首討論が28日、国会で45分間行われた。小沢氏は2次補正予算案の年内提出を求め、それができなければ 衆院を解散するように求めた。首相はいずれの要求にも応じず、逆に参院で審議中の金融機能強化法改正案の早期採決を小沢氏に求め、主張は平行線をたどっ た。
 首相は小沢氏との直接対決を乗り切ったことで、当面は09年度予算編成と日中韓首脳会談や東アジアサミットなどの首脳外交に専念し、 実績を積み重ねたい考えだ。一方、小沢氏は首相への不信を募らせており、首相を退陣に追い込むことも視野に入れて、年末にかけて攻勢を強めていく構えだ。

 党首討論は麻生首相が開催を強く求め、実現した。開催は4月9日に当時の福田首相と小沢氏とで行って以来、約8カ月ぶり。28日の衆院本会議では、30日までの会期を12月25日まで延長することを与党の賛成多数で議決した。
 小沢氏は冒
頭、「麻生首相は総選挙も先送りし、景気対策だ、経済対策だと言っておきながら、なぜ2次補正予算案を年内に出せないのか」と追及。景気対策を理由に早期解散を見送りながら、その裏付けとなる2次補正提出を年明けに先送りした首相の姿勢をただした。
 首相は「08年度の法人税などがかなり減収になる。その点も見極めなければならない。1月早々に通常国会を早めに開き、09年度予算案も含めて提出す る」と反論。「中小企業向けの信用保証枠は年末は対応できている。しかし、借り手ではなく貸手側の問題がある」と指摘し、金融機関への公的資金注入を可能 にする金融機能強化法改正案について「小沢代表のお力添えをお願いしたい」と述べ、野党多数の参院での早期採決に指導力を発揮するよう求めた。
 これに対し、小沢氏は「私ども民主党も政府案とは別の主張がある。ぜひ参院で修正協議に与党も応じてもらいたい。自民党は全くそれに応じようとしていない」と答え、参院での同改正案の修正協議に応じるよう
求めた。
 解散・総選挙については、小沢氏が2次補正先送りによって「政治空白」が生じたとして、「年末の選挙は往々にして行われてきた」と12月解散を求めた。 首相は「私も解散は一つの手段だと当初思っていた」と釈明しつつ、金融危機と米国の政権移行を理由に「政治空白」は作れないとして早期解散を否定した。

 討論後、首相は「良かったと思う。国民の皆さん方に両党または私と小沢代表との考え方の違いっていうのをかなりはっきりできた」と記者団に語っ た。小沢氏は輿石東参院議員会長らと協議し、独自の経済金融対策法案を12月初旬に提出する方針を確認。記者会見では「首相は首尾一貫していない。とても 国民が安心して政治を任せられない。首相にふさわしいとは思えない言動が多すぎる」と語った。

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失言警戒・麻生さんVS辛辣攻撃・小沢さん…初の党首討論
読売新聞2008年11月29日(土)02:11
 麻生首相と民主党の小沢代表による初めての党首討論は、2008年度第2次補正予算案の扱いなどを巡って小沢氏が攻勢をかけた。
これに対し、このところ失言などが続く首相は“安全運転”に徹し、防戦に回る場面が目立った。
 小沢氏は冒頭から 辛辣 ( しんらつ ) な言葉を首相にぶつけた。
 「民主党代表に就任し、きょうで3人の首相に3回目の(就任の)お祝いを申し上げた。このままだと、近いうちに4回目のお祝いを申し上げる状況になりかねない」
 約1年の在任期間で相次いで退陣した安倍元首相、福田前首相のように、麻生首相も足元が危うくなっていると 揶揄 ( やゆ ) したわけだ。
 小沢氏はさらに、10月30日に緊急の景気対策をまとめながら、2次補正予算案を今国会に提出しようとしない首相を、「筋道が通らない」と批判した。
 これに対し、首相は10月に成立した08年度第1次補正予算と2次補正予算案、09年度予算案を「3段ロケット」と位置付け、「中小企業(向けの融資枠拡大)は、年内に関しては1次補正で対応できる」などと「正当性」を強調した。
 ただ、補正先送りには、「迷走している定額給付金を盛り込んだ補正予算案を今の国会に提出しても、野党からたたかれるだけだ」(自民党筋)という 事情も大きく影響しているのが現実だ。小沢氏がそれを見透かしたように、「来年に補正予算を送るなら、今ただちに衆院解散・総選挙して、国民の審判をあお いだらいいじゃないですか」と二の矢を放つと、野党側の席からは大きな拍手が起きた。

 「党首力」の勝負に自信を持っていた首相には、党首討論は国民にアピールする絶好の機会のはずだった。実際、11月1~3日の読売新聞の世論調査では、「首相と小沢氏のどちらが首相にふさわしいか」を聞くと、首相が50%、小沢氏は22%だった。
 しかし、首相はその後、道路特定財源や郵政民営化を巡る発言のぶれや医師批判などの失言を続けた。野党でなく、与党内からも「資質」を問う声が出る逆風状態の中、首相はこの日の討論を迎えた。
 首相は事前準備で、「プラスを目指すのではなく、マイナスにならないことが大事だ。小沢氏と対決するというより、国民に丁寧に説明する」(周辺)方針を確認したという。
 実際、小沢氏が「『 綸言 ( りんげん ) 汗の ( ごと ) し』(君主の言葉は、一度発せられれば汗と同じで元に戻せない)という言葉がある」と失言をとがめても、首相は「忠告いただき、ありがとうございます」と殊勝な姿勢を見せた。「あんた」「おたく」などの言葉は使わず、得意の「べらんめえ調」も封印した。
 首相は28日夜、記者団に「よかったと思いますねえ。テレビを通じて国民に、私と小沢氏の考え方の違いをかなりはっきり(示すことが)できたと思っていますんで」と満足そうに語った。ただ、与党では「これでは、『角を ( ) めて牛を殺す』ことになりかねない。明朗で歯切れの良い首相のいい部分がなくなってしまう」という声も出ており、首相にとって、
反転攻勢のきっかけというわけにはいかなかったようだ。(政治部 遠藤剛、円入哲也)

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党首討論 軍配はどちらに… 首相、終始慎重 小沢氏、攻めた
産経新聞 2008年11月29日(土)08:05
 28日の党首討論は、内閣支持率が低迷し、失言続きの麻生太郎首相(自民党総裁)が“麻生節”を封印し、慎重な発言に終始したのに対し、討論下手を自認する小沢一郎民主党代表が、平成20年度第2次補正予算案 の今国会提出見送りを「国民への背信」とする論法で、押し気味に討論を進める「逆転現象」(自民党閣僚経験者)となった。しかし、解散権を持つ首相は、小 沢氏が改めて早期の解散を求めたのに対し、衆院選は4月以降になることを示唆。小沢氏には首相を追い詰めようとすればするほど解散は遠のくというジレンマ もある。(榊原智、斉藤太郎)
 「きょうの党首討論に負けたら終わりだ」(麻生首相周辺)
 首相はこの日、背水の陣に臨む心境だった。国会での論戦に自信を持っていた首相は、もともと党首討論を小沢氏を圧倒する「得点稼ぎ」の場と考えていた。
 だが、逆風下の首相には勢いがない。党首討論で大きなミスを犯せば、政権運営を直撃する正念場になっている。それを自覚する首相は入念な準備を行った。

 ≪「国民に語って」≫
 首相は27日夜、首相公邸の大食堂で行われた自民党役員連絡会メンバーとの夕食会で「一生懸命やる」と宣言。
 一同の「総理、がんばれ」との一本締めで送り出された首相は、帝国ホテルへ向かい、秘書官ら政府高官と作戦会議を行った。
 「総理、くれぐれも挑発に乗ってはいけません。小沢氏個人への嫌みやあてこすりもダメです」
 「わかりやすい言葉を使って、テレビをみている国民に説明するようにしてください」
 首相側近は矢継ぎ早にアドバイスを行った。
 首相の手元には、直前まで作成が続けられた想定問答集があった。2次補正を今国会ではなく、年明けの通常国会に提出することを「小沢氏が必ず攻撃してくる」ことへの理論武装用だった。
 だが作戦会議で最も話題になったのは、「小沢氏をやりこめるのではなく、国民に語ってほしい」という点だった。最近の問題発言などへ国民の批判が出ていることを気にしたのだ。
 首相は「そうだな」とうなずいた。持ち味であるざっくばらんな「べらんめえ調」は封印し、首相は党首討論で終始、「ですます調」の丁寧な発言を行った。
 これも、「チンピラやアブねえといった応酬になれば内閣支持率に響く」との、危機感あふれる声が複数の与党幹部らから寄せられていたからだ。
 首相の携帯電話へ直接電話する自民党幹部や閣僚もおり、27日の首相は「わかった」と応じる場面がみられた。
 党首討論は小沢氏が攻勢をかけたが、首相が感情的になる場面はなかった。自民党の細田博之幹事長は「首相の圧勝だ」と語ったが、公明党の北側一雄幹事長は記者団に「評価はちょっと分からない。まあ、でもほっとした」と正直な心境を吐露した。

 ≪「今なら勝てる」≫
 一方の小沢氏。
 「麻生首相では次の通常国会は持たない。あの答弁では無理だ」「自民党から(衆院選で信任を得ていない)4人目の首相は出ない」
 28日夜、都内で鳩山由紀夫幹事長らと会食した席上で、上機嫌で党首討論をこう振り返ったという。
 小沢氏は27日、九州での衆院選のための地方行脚をキャンセルし、党本部で党首討論の準備を行った。討論当日は、いつものマスクに黒色のコート姿で国会に現れた。「声をかけたら、怒られそうなほど緊張した様子」(周辺)だった。
 だが小沢氏にとって、今回の党首討論は「今なら誰でも首相に勝てる」(民主党幹部)ほど有利な状況での舌戦だった。
 攻めるテーマを景気低迷の中で2次補正提出を先送りした首相の「矛盾」(民主党幹部)をつくことに集中した。さらに、「あなたが国民の支持を得て、思う通りの政策を実行したらいいじゃないですか」と、首相を挑発しながら早期解散を求めた。
 小沢氏のことを「信用できない」と語っていた麻生首相だったが、28日夜の首相官邸でのインタビュー取材では「きょう(国会中継の)テレビの前で『審議に協力する』と言っていただきましたので、それを信用している」と語った。
 だが小沢氏は会見で、首相が通常国会の予算審議を念頭に提案した民主党との政策協議について「国会の委員会の場で政党間協議をやったらいい」と切り捨てた。

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