土曜日, 12月 13, 2008

中期プログラムに消費税上げ時期明記へ、首相が決意表明


トムソンロイター2008年12月13日(土)10:02
 [東京 12日 ロイター] 12日決定した2009年度与党税制改正大綱で明示されなかった消費税引き上げ時期について、麻生太郎首相は今夕の記者会見で「2011年度から消費税を含む抜本税制改革を開始したい」と明言。
 政府が年末に閣議決定する「中期プログラム」への抜本改革開始時期の明記を言明した。
 首相発言は「大もめにもめることも承知で、堅固な社会保障制度を構築するための首相の強い決意表明」(政府筋)との声が上がっている。ただ、与党大綱のてん末は選挙を意識して、自民党公明党の主張に大きく譲歩した結果だ。中期プログラムをめぐる衝突は政局の火種にも発展しかねない危うさをはらんでいる。
  与党大綱は増減税一体の改革の方向性と段取りを丁寧に描き出した。橋本龍太郎政権下での財政改革法の失敗を省みて「経済動向の変化に弾力的に対応する」と いう弾力条項の重要性を盛り込み、実施に備え「必要な法制上の措置」を事前準備する必要性に踏み込んだ。改革の実効性を担保するために「抜本改革の道筋を 立法上明らかにすること」が将来世代に付け回しせず中期的課題に応える政治の「責任」とも述べ、増減税一体の法定化の必要性にも踏み込んだ。いずれも、政 府の経済財政諮問会議が積み重ねてきた税制抜本改革の方針と重なる考え方だ。
  唯一異なったのが、消費税を含む抜本改革の開始時期をあいまいにしてしまった点だ。どんなに遅くても来年秋には実施される衆院選を意識した議論の先送りが 優先されてしまった。大綱は「経済状況の好転後に速やかに実施し、2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」とするにとどまり、増大する社会 保障費の安定財源確保に向けた歩みは、停滞を余儀なくされる事態とみられている。
 これに与謝野馨経済財政担当相や麻生首相が一石を投じて いる。麻生首相は中期プログラムへの消費税引き上げ時期明記は「2010年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する」とした与党の税制改正大綱に反して いないと説明。あらためて「基本的に3年後に消費税を引き上げる方針でやっていく」と表明した。
 与謝野担当相も12日の会見で与党大綱の 表現ぶりへの失望感を「自民党が責任政党として最後まで踏ん張れなかった」ことと評した後、中期プログラムについて「政府と与党の言うことが異なることは 十分あり得る」と踏み込み、同プログラムに増税時期を明記したい考えを示した。「景気が回復してから議論を始めていたのでは時期を逸する。二の矢、三の矢 を放っていく」(政府筋)──。その決定打の1つが首相の決意表明だったのかもしれない。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者;編集 田巻 一彦)
■関連ニュース
年後の消費税上げを諮問会議が決定、政府が責任政権追求し強行突破(トムソンロイター) 12月16日 22:15
消費税引き上げ時期や幅を明示せず=09年度税制改正大綱(トムソンロイター) 12月12日 20:33
首相の指導力問われていない=消費税時期明記見送りで与謝野担当相(トムソンロイター) 12月12日 12:08
税制抜本改革に消費税率盛り込まず=与党税制協(トムソンロイター) 12月10日 21:54
政府税調答申 財政“緩和”を容認、消費税率も触れず(産経新聞) 11月29日 08:05

0 件のコメント: