木曜日, 12月 11, 2008

健保肩代わり法廃案へ 社会保障2200億円抑制困難に

朝日新聞2008年12月11日(木)10:00
 政府・与党は、中小企業のサラリーマンが加入する旧政府管掌健康保険(現・協会けんぽ)への国庫負担の一部を大企業の健康保険組合などに肩代わり させる法案の廃案を決めた。同法案は今年度予算の社会保障費を抑制するために作成。「骨太の方針06」を踏まえ、社会保障費の伸びを当初予算で毎年度 2200億円ずつ抑制する計画は2年目で破綻(はたん)したことになる。
 骨太の方針06は、07~11年度の5年間で計1.1兆円の社会 保障費の抑制を定めている。07年度当初予算では雇用保険の国庫負担削減などで目標を達成。08年度は、薬価引き下げなどのほか、協会けんぽへの国庫負担 の肩代わりで1千億円分を捻出(ねんしゅつ)することになっていた。09年度予算案では、別途、財源を手当てすることで抑制幅を小さくする方針を打ち出し ている。
 政府は今年の通常国会に法案を提出したが、参院で多数を占める民主党の反対姿勢で継続審議となった。今の臨時国会でも審議入りすらできず、成立のめどが 立たないため、廃案もやむをえないと判断した。これにより今後、「骨太06」の目標達成に向けたハードルはさらに高くなる。協会けんぽに投入する1千億円 は、08年度第2次補正予算案に計上する方針だ。
 2200億円抑制は、高齢化により膨らむ社会保障費に一定の歯止めをかける狙いがある。政府は消費増税を先送りしているため、抑制ができなければ、国債発行で財源を賄う必要が出て、国の財政がさらに悪化する恐れがある。
 今年度予算ですでに抑制枠が破綻したことで、枠そのものの撤廃を求める与党内の声はさらに強まりそうだ。公共事業の3%削減など、骨太の方針に盛り込まれた他の歳出削減目標の撤廃を求める声も勢いづきそうだ。


全国健康保険協会 協会けんぽ

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骨太方針全廃が良しとは思わんぞ。 ちゃんと何に金がかかるのか、詳らかにしてから、議論しろよな....。

1 件のコメント:

おっけぃ さんのコメント...

たばこ増税断念へ 自民税調が見送り方針
朝日新聞 2008年12月11日(木)03:06

 政府・与党は、たばこ税の引き上げを見送る方針を固めた。自民党税制調査会は09年度税制改正大綱にたばこ増税を盛り込まない方針で、麻生首相も受け入れる方向だ。来年度予算案での社会保障費の抑制幅2200億円を小さくする財源として検討されていたたばこ増税が見送られることで、抑制幅圧縮には新たな財源が必要となり、首相は厳しい判断を迫られる。

 11日の自民党税制調査会幹部の会合で、津島雄二会長がたばこ税の引き上げはしない考えを示した。

 別の党税調幹部も10日夜、「たばこ税を社会保障の特定財源にする考え方は間違っている」と述べ、引き上げはないと明言。公明党も「たばこ税は今年のテーマではなく抜本改革のテーマだ」(幹部)として増税に慎重だ。

 関係者によると、首相が党税調幹部にたばこ増税を求める案もあったが、見送られたという。税制改正にあたり、首相周辺は「党税調が決めれば、それで終わりだ」と語るなど、首相も党税調の決定に基本的に従う方針だ。

 与党は社会保障費の2200億円抑制の見直しを求めてきた。政府は3日に閣議決定した予算編成の基本方針に、新たな安定財源が見つかった分だけ、抑制幅を小さくすることを盛り込み、たばこ1本につき2~3円(1箱40~60円)の増税案を検討していた。社会保障費の削減は限界に迫っていたため、たばこ税を引き上げ、抑制幅を圧縮すれば、財政規律も保てるという算段だった。

 ただ、税調のメンバーからは「たばこ税をあげても税収が増えるかどうか、まったく定かではない。消費の減退もあるし、値段をあげれば過去の経験値では何%か売り上げが減る」(町村信孝・前官房長官)などとする慎重論が次第に勢いを増した。政府内にも「社会保障費というのはたばこを吸う人たちだけに背負わせていいのかという問題がある」(与謝野経済財政相)との指摘もあった。

不公平でないようにするのはイイんだけど、財源に関しては、もっとちゃんと議論しとかんでエエのんか?