月曜日, 12月 22, 2008

重要課題枠、社会保障に775億円 09年度予算政府案固まる


共同通信2008年12月22日(月)20:25
 2009年度予算で焦点となっている重要課題推進枠3330億円の配分が22日、中川昭一財務相から関係閣僚に内示された。麻生太郎首相の指示を受け、医師不足対策、雇用促進など社会保障関係に総額775億円を確保、地域活性化につながる公共事業や、食料自給力向上のための農業予算も原案段階から上積み。これで政府案が固まり、24日閣議決定する。財務相は記者団に「限られた予算でめりはりを利かせた」と強調した。


妊婦健診無料化などを重要課題推進枠に、09年度予算
読売新聞 2008年12月22日(月)16:18
 麻生首相は22日、中川財務・金融相と会談し、2009年度予算編成で麻生首相が使い道を決める「重要課題推進枠」(3330億円)と、使い道が決まっていなかった「調整財源」(200億円)の配分を最終決定した。
 推進枠には、「生活防衛策」として、妊婦健診に対する国費負担を増やして健診の実質無料化を図ることや、出産育児一時金の引き上げ、医師不足対策 などが盛り込まれた。また、外交力の強化を図るため、政府開発援助(ODA)の予算を財務省原案から上積みするほか、雇用対策や科学技術振興策などに重点 配分することになった。



09年度予算 埋蔵金と赤字国債が頼りとは
読売新聞2008年12月21日(日)01:32
 景気下支えや膨らむ社会保障費の手当てのため出費は増える。一方で税収は大幅に減少する。金融危機の直撃を受けた予算編成は、例年にない厳しいものになった。
 2009年度予算の財務省原案は、一般会計の歳出総額が88・5兆円と、08年度当初予算に比べ5・5兆円増える。基礎年金の国庫負担増加分や、景気対策の予備費1兆円などを計上したことで、過去最大を記録する。

 ◆国債発行額は33兆円◆
 逆に税収は、企業業績の悪化による法人税の落ち込みなどで約46兆円にとどまる。今年度当初予算より7兆円以上も少ない。
 08年度予算の第2次補正で、税収が7兆円減額修正され、その傾向が09年度も続くと想定した。
 この結果、国債の発行額は、08年度当初予算を約8兆円上回る33・3兆円となり、4年ぶりに30兆円の大台を超える。歳入に占める国債比率は4割に近づいた。
 政府は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を11年度に黒字化する目標を立てている。今回、財政赤字が一気に拡大し、目標達成は事実上不可能になったといえよう。
 これ以上、その目標にこだわる必要はあるまい。達成年度を先送りしてしかるべきだ。
 だが、巨額な財政赤字を放置しておいて構わないということではない。当面は国債発行でしのぐとしても、いずれ安定財源を確保し、財政再建に取り組むとの目標まで失ってはいけない。
 その場合、消費税に頼らざるを得ないのは明白だ。景気の動きを見れば、消費税率を直ちに引き上げる状況にはない。だが、今から議論を進め、景気回復後に速やかに引き上げが実現できるよう環境を整えておく必要がある。
 その点、与党の来年度税制改正大綱は消費税率引き上げの時期や幅に触れなかったが、政府・与党が近くまとめる中期プログラムでは、せめて税率引き上げの時期を明確にすべきだ。

 ◆目立つ埋蔵金の流用◆
 一連の予算編成で目立つのは、「埋蔵金」の流用だ。まず、今年度の第2次補正予算に4兆円投入する。09年度予算にも4兆円以上つぎ込む。さらに10年度予算でもあてにされている。
 景気対策の目玉とされる定額給付金や、基礎年金の国庫負担増に伴う09、10年度の2年分の財源になる。地方交付税の積み増しなどにも使われる。
 埋蔵金の大半は、財政投融資特別会計の積立金と毎年の余剰分だ。積立金は今年度末で約10兆円とされる。余剰分は、過去の高い貸付金利と現在の低い調達金利の差で生じるもので、今年度に約2兆円、来年度もそれに近い額が見込まれている。
 こうしたお金は本来、国債償還に回すべきものだ。流用は赤字国債の増発と変わらない。ある程度の流用は許容範囲だが、景気が回復すればすぐにやめるべきだ。
 来年度予算の焦点の一つだった道路特定財源の一般財源化は、実質、骨抜きに終わった。
 今年度予算で7000億円計上された「地方道路整備臨時交付金」を、新設する「地域活力基盤創造交付金」に衣替えし、9400億円に増額して地方に配る。8割が道路整備に使われるという。
 地方交付税等は、首相の指示で約1兆円近く増額され、16・6兆円となった。地方では公務員の割高な人件費など、まだ無駄な出費も多い。自治体は一段の歳出削減に取り組む必要がある。
 09年度予算では、歳出削減のための概算要求基準(シーリング)が7月末に決められた。
 社会保障費については、自然増分を2200億円抑制する例年通りの目標が課せられた。これをクリアするため、たばこ税の増税などが検討されたが、結局、埋蔵金などから財源をひねり出し、なんとかつじつまを合わせた。
 だが、実際に歳出を抑制するのは、後発医薬品の利用促進による200億円余りにとどまった。

 ◆限界に来たシーリング◆
 そのほかの歳出項目でも、きしみが生じている。これ以上、シーリング方式を続けるのは無理だろう。10年度予算では新しい手法を考えるべきだ。
 どうすればいいのか。自民党の財政改革研究会が昨年出した提言が参考になる。まず予算を、社会保障部門とその他部門に大きく2分割する。
 社会保障部門は、国民生活の不安解消のため、必要な伸びを認め、将来的には、社会保障目的税にする消費税で財源を確保する。その他部門は出来るだけスリム化を進めるというものだ。
 その他部門では、政府開発援助(ODA)など、戦略上、重要な予算は増額を認めるなど、柔軟に対応する姿勢が肝要となろう。

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