日曜日, 12月 28, 2008

急患「管制塔」で対応 受け入れ病院振り分け 厚労省


産経新聞2008年12月28日(日)08:05
 厚生労働省は 27日、患者受け入れ拒否問題への新たな対応策として、地域の医療機関をネットワーク化して管制塔役を担う病院を定め、病状に応じて患者を振り分ける仕組 みの具体案をまとめた。「管制塔機能病院」には救急対応の医師が常駐し、地域内の医療機関で受け入れ困難な場合に患者を引き受ける。病状が落ち着けばネッ トワーク内の病院に転院させて空きベッドを確保し、次の患者の受け入れに備える。早ければ今年度中に体制整備に着手する考えだ。
                   ◇
 救急医療では初期救急を担う医療機関、入院が必要な患者を受け入れる2次救急、重症患者を扱う3次救急(救命救急センター)と、病状に応じて受け入れ先が3段階に分かれているが、実際には振り分けが十分機能していない。
 管制塔機能病院の整備は、2次救急医療を担う病院への患者搬送を円滑にし、重症でない患者が救命救急センターに集中するのを防ぐ狙いもある。
 厚労省の具体案では、都道府県が調整役となり地域の複数の医療機関のネットワークを作り、この中で地域の中核的な病院を管制塔機能病院と位置付ける。管 制塔機能病院には、救急対応を行う専任の医師と看護師を置き、休日や夜間の輪番制の当番病院に受け入れられなかった患者の最終的な受け入れ先となる。対応 できない病状の患者は、救命救急センターなどに再搬送する。
 一方、ネットワーク内の各医療機関は、管制塔機能病院から受け入れる患者用に、ベッドが満床にならないようにするほか、必要に応じ管制塔機能病院に医師を派遣する体制をとる。
 整備を推進するため、管制塔機能病院に対しては、救急対応に従事する医師と看護師の人件費などとして、国と都道府県がそれぞれ年間1000万円を補助。 支援するネットワーク下の各医療機関にも、空きベッドの確保や医師を派遣(派遣手当1回1万3570円)した場合の経費の3分の2を上限に国と都道府県と で補助する。


東京の妊婦拒否理由、大半が満床 厚労省調査
共同通信2008年12月8日(月)21:50
 東京都で相次いだ2件の妊婦受け入れ拒否問題を調査していた厚生労働省は8日、受け入れを断った15病院のうち9病院は小児集中治療室など病床の 満床が理由だったとする調査結果を公表した。問題の背景として、病院側は(1)慢性的な産科と新生児科の医師不足(2)小児集中治療室や母体・胎児集中治 療室の不足-を指摘。受け入れ可能な病院を検索するシステムはリアルタイムでの更新が難しいとした。


相次ぐ妊婦搬送拒否 NICU満床の一因 増える低出生体重児
産経新聞2008年12月5日(金)08:05
 東京都内で妊婦が相次いで搬送を断られた問題で、都内の周産期母子医療センターの「新生児集中治療室(NICU)」が満床になる一因に、NICU治療の必要性が高い低出生体重児出産の増加が挙げられている。無理なダイエットで胎児に十分な栄養を与えられないやせ過ぎの若い妊婦や、子宮機能が低下した高齢出産の増加などが背景にあると指摘する関係者も多い。(植木裕香子)
 都内の妊婦(36)が10月4日に計8病院から搬送を拒否され出産後に死亡した問題で、搬送拒否の理由で最も多かったのが「NICUの満床」だった。9月23日には、脳内出血を起こした調布市内の妊婦(32)の受け入れを断り、約25キロ離れた都立墨東病院への搬送を要請した杏林大学病院(三鷹市)も同様の理由だった。
 なぜ、都内のNICUは満床なのか。都では医師不足以外に、NICUでの治療必要性が高まる2500グラム未満の低出生体重児の増加を指摘する。
 ≪高齢出産に顕著≫
 都の調査では、平成2年の都内の低出生体重児数は6583人だったのに対し、平成18年には約1・5倍の9564人まで増加、全国最多にのぼっている。 低出生体重児の出産は子宮機能の低下により胎内で胎児を育てられず、胎児が一定の体重になる前に出産する早産や、不妊治療による双子や三つ子など、母体か ら受け取る栄養分の量が少ない多胎児を妊娠した妊婦にみられる。いずれも一般的に高齢出産といわれる妊婦に多いのが特徴だ。
 実際、厚生労働省の平成18年の調査によると、低出生体重児を出産する割合は、45歳以上が16・2%と最も多い。以下、40~44歳は13・3%、 35~39歳の11・1%。女性の初産平均年齢が全国最高の30・7歳の都にとって、出産の高齢化による低出生体重児の増加の深刻さを裏付けている。
 ≪やせ過ぎも問題≫
 岡山大病院産科婦人科長の平松祐司教授は、無理なダイエットでやせすぎの20代の妊婦について触れ、「お母さんからの栄養が足りなければ、胎児に補給される栄養も少なくなる。その結果、低体重の子供が生まれやすくなる」と指摘する。
 都はNICU満床問題などを受け、周産期医療協議会を開催。新生児救急とは別に母胎救急に対応する拠点病院を設けたり、搬送業務の振り分けを担うコー ディネーターについて議論を進めている。ただ、低出生体重児の増加については、「女性側が抱える事情にまで行政が踏み込むことはできない。対応が難しい」 と頭を悩ませている。

「管制塔機能病院」体制のイメージ (イザ!)


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まず、金かける部分に金使うべきだと思うけど....。

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